ソフトバンク・王監督の退任についてイチローが語った。同じユニホームを着たのはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)だけだったが、けた違いの度量、実直な人柄が強く印象に残っているという。
「ホームランの数や記録だけで“世界の王”と言われているのでは絶対にない。話をされているときの表情や、あのよどみのない目が、真っすぐこの世界で突き進んでこられたことを表現している」
8年連続200安打を達成した後、直接電話をもらった。米国の価値観が強く支配する大リーグで、日本人が功績を残すことの難しさ、尊さをねぎらってもらい感動したという。
「泣きそうになった。この人、本当にすごいなと。監督だったらこの人のためにやりたいと思う。王監督と同じ空間にいたことは僕にとっての宝物。自分のことを監督に覚えてもらっているなんてあり得ない。僕は幸せ者ですよ」。野球少年のような口調だった。(共同)