【釜山23日神屋由紀子】先史時代から李氏朝鮮時代(1392―1910年)までの朝鮮半島と日本の交流史をたどる特別企画展「いにしえからの交流、韓国と日本」が23日、韓国・釜山市立博物館(通称・釜山博物館)で始まった。佐賀県唐津市の恵日(えにち)寺所有の銅鐘(重要文化財)など北部九州ゆかりの遺物を中心に多様な隣国関係を概観する内容で、11月23日まで。
釜山博物館は今年、開館30周年を迎え「近くて遠い国とされる日本との交流に焦点をあて、友好関係を考える手掛かりにしたい」と企画。釜山市の東三洞貝塚から出土した縄文土器から、李氏朝鮮時代の外交使節「朝鮮通信使」関連資料まで幅広い時代を対象とし、副題を「韓日交流7000年展」と付けた。
恵日寺の銅鐘は1026年に鋳造された朝鮮鐘。数百年ぶりの“里帰り”が実現した。日本からは重要文化財8点を含む128点を出品、展示資料の約7割を占めた。
開幕式には北部九州の博物館関係者も参加。佐賀県立名護屋城博物館(唐津市)の天本洋一館長は「日韓交流を象徴する貴重な文化財が広く紹介されるのは、学術研究だけでなく、日韓の友好交流の面でも大きな意義がある」とあいさつした。
=2008/09/23 西日本新聞=