遺体の腕にあざ…東金市女児死体遺棄

　千葉県東金市の成田幸満（ゆきまろ）ちゃん（５）の死体遺棄事件で、遺体の腕にあざが残っていたことが２３日、明らかになった。また、遺体が見つかる約３０分前に、幸満ちゃんが母親の多恵子さん（３７）が勤務する「東金中央クリニック」内で目撃されていたことも判明。千葉県警東金署設置の捜査本部では、いずれも犯行状況を解明する手がかりになるとみて捜査している。

　捜査本部の調べによると、遺体に残っていたあざは手でつかまれた時にできるような跡だったという。幸満ちゃんが死亡する前にできたとみられている。

　また、亡くなる直前の幸満ちゃんの目撃情報の存在も判明した。東金南公園で幸満ちゃんの遺体が見つかったのは、２１日の午後０時半ごろ。しかし、そのわずか３０分前の正午ごろ、遺体発見現場から数百メートル離れた病院内で、幸満ちゃんを見たという証言が捜査本部に寄せられているという。

　幸満ちゃんは２０日、母親の多恵子さんと一緒に母方の祖父が院長を務める病院に来ていた。多恵子さんは夜勤だったため幸満ちゃんもそのまま病院に１泊。そして、翌２１日の午前１０時半すぎ、多恵子さんに「友達の家に行く」と言って病院を出たという。

　そして午前１１時前、友達が留守だったのか、病院に引き戻す幸満ちゃんの姿が近所の住民によって目撃されている。さらに、病院に戻った直後とみられる午前１１時すぎ、幸満ちゃんが病院事務所にやってきて「（お母さんの）仕事はまだ終わらないの？」と尋ねたことを捜査本部は確認。そして正午ごろの病院内での目撃情報を最後に、幸満ちゃんは窒息死させられた可能性が強い。

　多恵子さんは夜勤明けだったため、夕方前まで仮眠をとっていた。幸満ちゃんがいなくなったことに気付かず、通報は午後４時半ごろになってしまったという。

　捜査本部では、あざや目撃情報が犯行状況を解明する手がかりになるとみて捜査。病院内にも捜査員を派遣し職員などから事情を聴いている。

　一方で幸満ちゃんの遺体が発見された現場近くでは、今年に入って不審者情報が何件かあったことも判明した。

　民家と歯科医院への侵入事件が続発。また、見慣れないグレーの軽自動車で何度もうろついていたり、さらには下半身を露出した男も目撃されている。

　今年４月には、現場から１００メートルほど離れた遺留品の発見現場付近で、小学４年の女児（１０）が男に腕をつかまれる事件も発生。捜査本部では「２００４年以降に起きた数件を調べている」としており、幸満ちゃんの事件と関連がないか、不審者の洗い出しも急いでいる。

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