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【富山】

落とし物財布 韓国に届いた 砺波署に礼状

2008年9月23日

送られてきた感謝の品を前に「無事、戻って良かった」と喜ぶ河合さん=砺波署で

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河合さん 『戻って良かった』

 「なくした財布が戻ってうれしかった。日本の旅行者が困っていたら、ぜひ手助けしたい」−。旅先の砺波市で落とした財布を郵送してもらったお礼の手紙が、遠く韓国から砺波署に届いた。礼状は二十二日、遺失物として届けた恩人の女性に感謝の品とともに手渡された。 (鷹島荘一郎)

 財布を届けた女性は南砺市遊部、美容師河合沙也香さん(24)。八月二十五日に砺波市で食事をした帰り、JR砺波駅に近い踏切で線路の上に落ちている財布を拾った。中には日本円二万二千円と韓国紙幣約五万ウォン、本人の名刺などが入っていた。

 「外国でお金をなくして困っているだろう」とすぐに砺波署へ届けた。同署は韓国大使館に聞いて新潟市の総領事館へ連絡。落とし主はソウル大学の五十代の男性教授と分かり、郵送した。南砺市利賀村などを訪れた帰りだったという。

 教授から届いた礼状には「とても感謝しています。いつの日か、私も韓国で困っている日本の人がいたらぜひ手助けをしたいと思います」とつづられていた。

 感謝の品は、韓国びょうぶの複製品。高さ二十一センチ、横七十四センチの八曲一双で、表には庶民の生活ぶりの風俗絵図、裏には季節の花などをたたえる漢詩が書かれている。

 同署で向井辰郎署長からびょうぶを受け取った河合さんは「国が違うのでどうなるかと思っていたが、無事に戻って良かった」と喜んでいた。

 

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