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【茨城】筑西市民病院経営形態 決断迫られる市長2008年9月24日 筑西市民病院(同市玉戸)が慢性的な赤字と医師不足に陥っている問題で、冨山省三市長が病院の今後の経営形態をどうするか、決断を迫られている。経営形態が議論されてからすでに二年以上が経過。市議会は九月定例会で、今月末までに結論を出すよう求めた。総務省の公立病院改革ガイドラインに沿えば、十九床以下の診療所に規模縮小される可能性もあり、抜本的な経営改革が急がれている。 (中西公一) 「市民病院に対して市長の腰は重い。九月末に結論を出す気はあるのか」 九月定例会の一般質問。藤川寧子議員が市民病院への冨山市長の対応の遅さを指摘し、「早急に検討すると言い続け、今日に至っている」と批判した。 市長はこれまで▽現状の公設公営の維持▽新しい管理者が独自に給与や人事を決定できる地方公営企業法の全部適用(全適)▽公設民営化▽独立行政法人化▽民間への移譲▽廃止−の六つの選択肢を提示。答弁では「地域医療の中核病院として存続させるべく検討している。できるだけ早く結論を出したい」と話すにとどまった。 市民病院の経営形態をめぐって、市は二〇〇六年一月、県内外の大学教授や医師らによる「あり方等に関する検討委員会」を設置。委員会は同年七月、市長に「市からの繰入金は三億五千万円を前提とした上で〇七年度の単年度黒字化を目指し、目標が達成できない場合は公設民営化や民間への譲渡を協議すべきだ」と答申した。 〇七年十一月には、同病院の院長や市内の学識経験者、医療関係者らで構成する市民病院運営審議会も、全適などによる公設公営と公設民営の二つの案を提言した。その後も市民病院の経営は、〇七年度に市の一般会計から約十億円を繰り入れるなど厳しさを増している。そんな中、総務省から改革プランを本年度内に策定するよう求められ、市の来年度予算編成も間近に控えている。 同省が昨年策定した公立病院改革ガイドラインは「病床利用率がおおむね過去三年間連続して70%未満の病院は、改革プランで病床数の削減や診療所化などの抜本的な見直しを行うことが適当」と明記。市民病院によると、同病院の病床利用率は〇六年度が59・4%、〇七年度43・1%で、本年度も70%以上になる見込みはないという。 市議会は市民病院の存続が危ぶまれる状況にあるとして、九月定例会で全適と民間移譲の二案を提案するとともに、今月末までに市長に結論を出すよう迫っている。
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