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【産科医解体新書】(5)男子学生・男性医師に理解を

2008.9.24 07:51

 多くの女性が産婦人科を訪れるとき、女性医師からの診察を希望します。そのニーズを反映してか、女性医師の割合は年々増えています。

 患者さんの需要と女性医師の供給のバランスは取れていませんから、依然、女性医師だけで産科業務全体をまかなえるほどではありません。

 女性医師は、結婚や出産を機に産科医療からいったん離れることがあります。足りなくなる人数を埋めるためには、女性医師の育成と同時に、男性医師の育成が必要です。

 男性医師を産科医療に引き込むためには、学生のうちから経験を積ませることも大事だと思います。早いうちに産科医療の重要性を感じてもらえるからです。

 しかし、残念ながら、現状では男子学生が分娩(ぶんべん)に立ち合うことを拒否されるケースも多く、育成に支障が出ています。分娩の勉強を拒否されたことのある男子学生は、産科医療への興味を失ってしまいます。分娩に参加することができた男子学生の中には、「予想していたより、とても感動した。産婦人科も進路の選択肢の一つにしたい」と話す者もいるのですが…。

 産婦人科医は基礎的なトレーニングを終えると、さらに専門的な領域へ分かれて進んでいきます。がんなどの腫瘍(しゅよう)、不妊や更年期の内分泌、そしてお産を扱う周産期の3つです。

 どの領域も慢性的な医師不足に悩んでいますが、周産期に比べると、腫瘍と内分泌での男性医師の需要はやや多いような印象があります。「お産は女性医師がいいけど、手術は男性医師がいい」と考える女性がいるからです。

 男性医師も女性医師も、周産期の専門からは離れたいのに、人手不足から当直だけはこなさなければいけない状況に陥ります。しかも当直回数は、他科と比べて尋常ではない数をこなすことになるのです。(産科医・ブロガー 田村正明)

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