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鞆よ!

【NEWS ニュース】

鞆の町家救え 宮崎監督ら基金協力呼びかけ

2006年10月20日

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江戸期の風情が漂う鞆の浦の町並み

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老朽化した建物を見て回る松居秀子さん(右)ら「鞆・町家エイド」準備会のメンバー=いずれも福山市鞆町で

 万葉の景勝地で「潮待ちの港」として栄えた広島県福山市の鞆の浦の古い町並みを守ろうと、地元の住民らが「鞆・町家エイド」基金(084・982・0535)を設立する。

 江戸期から明治の建物約200棟が並び、坂本龍馬ゆかりの町家も残る。呼びかけ人には映画監督の宮崎駿さんや大林宣彦さん、作家のC・W・ニコルさんらの名も。

 寄付の目標は1億円。空き家となって荒廃が進む町家などの修復に役立てる。東洋文化研究家のアレックス・カーさんは「鞆を壊すのは日本に文明がない証拠」と訴えている。

 ●専門家らも参加して調査、修復

 荒廃が進む福山市鞆(とも)町の古い町並みを救おうと、地元の住民グループが設立を目指す「鞆・町家エイド」基金。19日、会見したNPO法人「鞆まちづくり工房」代表の松居秀子さんら準備会メンバーは、「いま修復しないと取り返しがつかない」と指摘。呼びかけ人に名を連ねた映画監督の宮崎駿さんらも、鞆のすばらしさをたたえながら、「孫の代を見据えた町づくりを」「民間の力を合わせて文化財を守ろう」などと訴えるメッセージを寄せた。(松尾俊二)

 計画では、1億円を目標に企業や団体、個人などから基金を募り、町内の町家や蔵、社(やしろ)などについて、専門家らによる調査を実施。損傷状況などを審査し、修復の必要があれば、所有者と協議しながら費用の一部を補助する。場合によっては、建物の買い取りも検討するという。

 市が国の重要伝統的建造物群保存地区の指定を目指す約8・6ヘクタールには、約160棟の江戸〜明治期の町家や蔵が残っている。うち約半数が使われないまま荒廃が進んでいるという。背景には、市が、地元で取り組む埋め立て架橋計画が足踏み状態に陥っていることを理由に伝統的建造物の保全事業を凍結したという事情もある。

 呼びかけ人には、鞆を何度も訪れている宮崎監督のほか、同じく映画監督の大林宣彦さん、作家のC・W・ニコルさん、東洋文化研究家のアレックス・カーさん、池田武邦・元ハウステンボス会長、NPO「ピースウィンズ・ジャパン」統括責任者の大西健丞(けんすけ)さん、平山助成・平山郁夫美術館館長が加わっている。この日の会見に出席した大西さんは「危機的な状態の建物があれば、ある程度の基金が集まった段階で修復に着手することもあり得る」と話した。

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