ヘリコプターに医師を乗せ救急患者を搬送する「ドクターヘリ」の試験運航が22日、道北で始まった。旭川医大を拠点に稚内市、名寄市などで、救急患者の発生を想定した模擬実験を28日まで実施する。道内のドクターヘリは現在、札幌市を中心にした道央の１機だけ。今回の試験運航には２機目の誘致に向け道北をアピールする狙いがある。

　道北の自治体や医療機関などでつくる「道北ドクターヘリ運航調整研究会」が朝日航洋の協力で実施した。旭川医大で22日開かれた就航式で同医大の吉田晃敏学長は「旭川に配備すれば利尻島などにも出動できる」と活動範囲の広さを強調。ヘリポートや格納庫などを同医大敷地に設置することを表明した。

　式終了後、稚内市で重症患者が発生したとの模擬連絡を受けたヘリは医師、看護師を乗せて快晴の空に飛び立った。

　ドクターヘリの誘致を巡っては、釧路市を中心とした道東も名乗りを上げている。同研究会では道北の広い範囲で患者の迅速な搬送が可能なことを試験運航で確認し、誘致につなげる考えだ。