アニメックの頃… 著/小牧雅伸

DAICON

この年の夏、『機動戦士ガンダムII 哀 戦士編』よりも編集部で盛り上がったのは大阪で開催されたSF大会「DAICON III」であった。それまではSF大会といえばアニメ御法度的な感覚があり、ヤマトからは多少楽にはなっていたのだが、それでも多少の堅苦しさは残っていた。これが見事に崩壊し、楽しいイベントとなったのが、このDAICON IIIであった。関西近郊の学生スタッフの「面白くする」という意志は、明瞭で内容のレベルも高いものであった。
そのスタッフのほとんどが、後のゼネラルプロダクツ、そしてガイナックスを築いていく若者だったのだから当然かもしれない。知らない人は知らないが「ゼネラルプロダクツ」は、ラリー・ニーブンに使用許諾を貰った正式名称。ニーブンのリングワールドを含む既知宇宙シリーズで、地球人相手にスーパーテクノロジーを売るパペッティア星人の会社名である。
このSF大会のオープニングアニメは、素人集団が作った域をはるかに超えていた。元が8ミリフィルムで、焼き増しして「アニメック」で特集を組んでみたりしたのだが、読者の評判は良かった。逆に「これのどこが面白いんですか?」というアニメファンも多かったわけで、まだSFとアニメの融合は完全ではなかった時期なのだろう。

“ろ”はロリータの“ろ”

3月1日発行の「アニメック」17号は、機動戦士ガンダム映画化最新情報号。表紙が『カリオストロの城』で、クラリス奪還のマント花火であったのは理由がある。この号で一番力を入れたのは、二代目副編集長の「美少女ブーム」を文化にするための啓蒙特集であった。
「編集長はガンダムぼけで使えない」のひとことで、この企画に突っ走った若さが光る。
総頁数が25頁という中特集であったが、このインパクトは凄く、ロリコンブームの最中にアニメックが置かれることになってしまった。ナバコフから始まり、ルイス・キャロル経由で現代の美少女ブームを解説したこの本は伝説のバックナンバーとなった。
この流れは、アニメックの中に定着し、「ロリコンを語るならば、まず『アニメック』17号を呼んでからにしろ」と言われ続けたのである。

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