組織票組織票と聞くとメジャーな団体の宣伝工作を思い浮かべるが、ガンダムでは異なった。放映中から熱心な活動を続ける数人から数十人規模のファンサークル代表を集め、宣伝のバックアップをお願いするというものである。当然、個人レベルの協力者も数多く出て、それらの中間集計基地のような形で、「アニメック」や「OUT」といったアニメ雑誌が協力することになった。アニメージュは、ムーブメントの中核であるという意識が強く、積極的な参加はなかったと記憶する。(なぜって、そういうファン代表会議に編集部の人間が現れなかったからだ。ライターはあちこちに共通なので、情報は全て入っていたと思われる) ここらあたりの草の根運動では、野辺プロデューサーが大活躍をした。はっきりいえば、現状をファンに訴えたのである。劇場作品の一回目は決定した。ファンが望む作品を見るためには、この第一回作品の興行成績が良くなければならない。どんなにきれい事を言っても「総集編プラスα」のこの作品が成功すれば、新作カットの大量に増えたパート2が決定し、それも成功すれば、目出度く完結編ができるという事情説明である。多少の宣伝告知ではなく、全国のファンの力の結集が必要という野辺さんの大演説は多くのファンの心を射止めた。微力であれ劇場公開に協力できるという部分で、今まで日陰者だったガンダムファンが動いたのである。後の話であるが、「ザ・ベストテン」へのハガキリクエストが、あれだけの枚数を投函できたのはこの時からの流れであった。劇場版「機動戦士ガンダム」は、今ではなかなか表記が難しい。いまでこそ三部作で通用するが、この第一部にはIは付いていない。それこそが、駄目だったらそこで終わる運命の作品だからである。この作品の成功により『機動戦士ガンダムII』、そして『機動戦士ガンダムIII』が誕生したのである。 |