アニメックの頃… 著/小牧雅伸

地球へ…

アニメック10号表紙画像

出渕裕が新番組の『宇宙大帝ゴッドシグマ』の設定に追われている頃、竹宮恵子が小学館漫画賞を『風と木の詩』と『地球へ…』で受賞した。2007年のテレビ版では、コンセプトデザイン及び脚本を出渕裕が勤めている『地球へ…』である。
この頃、劇場用アニメ『地球へ…』の制作発表があり、竹宮さんにインタビューもしている。今回、テレビ化されたおかげでルビを振らなくても良いのが助かる。
振り返れば、1980年春の劇場用アニメーションは当たり年と言えたかもしれない。
『家なき子』『火の鳥2772愛のコスモゾーン』『あしたのジョー』『ドラえもん のび太の恐竜』『地球へ…』が、ほぼ同時期に劇場公開された年なのだから。

さて、ぎりぎりの状態で編集部員を追加した編集部では、順調に編集作業を進めていた。逆に言うと、余裕ができたので自分の好きな物だけを徹底したというべきだろう。U杉は、劇場化をアリバイにして『家なき子』を、徹底特集していたわけだし、私は最終話の放映を終えたばかりの富野監督と松崎健一さんにインタビューをしていたわけである。残る記事はコンセプトを決めて、中村秀俊に一任。彼が女性編集員二人をこき使って完成させるという荒技である。アニメック10号というのは全アニメックの中で一番余裕のある編集体勢であった。
しかし、次号11号の編集を最後にU杉は家業を継ぐ為に信州に帰ってしまうのだ。
助っ人要員やアルバイトを幾ら増やしたところで、彼の穴埋めにはならないだろう。それを考えると私は不眠症に近い状態になり、夏まで持つのだろうかという不安を抱えていたのだった。ここにアニメック最大の危機が訪れようとしていた。
余談ながら、この連載のタイトル『アニメックの頃…』の「…」は、もちろん『地球へ…』のオマージュである。それほど好きな作品だったのだ。

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