【社説】麻生太郎新首相の登場に思う
麻生太郎氏が22日、自民党総裁に選出され、国会で内閣総理大臣に指名される見通しとなった。麻生氏は2003年、同党政調会長時代に「(植民地時代の)創氏改名は、朝鮮の人たちが『苗字をくれ』と言ったのがそもそもの始まり」という問題発言を行った人物として韓国でも広く知られている。麻生氏はこのほか、「天皇が靖国神社を参拝するのが一番だ」「戦争犯罪人という定義は国際軍事法廷における見解で、少なくとも日本の国内法に基づいて犯罪人の対象にはなっていない」「(日本の核武装論について)いろいろな議論をしておくのも大事なことだ」などという発言で物議を醸した。
麻生氏が2006年に外相に就任した後、問題発言をほとんどせず、合理的な態度を見せていることも事実だ。外相在任中の8月15日には靖国神社ではなく、外遊先のイスラエルでホロコースト記念館を訪ねた。外相時代の麻生外相に会った外交官らは「意外に問題を解決しようという意志があった」と述べ、彼が過去のように無法な振る舞いはしないと予想した。
しかし、麻生氏の心中にある本心がどんなものかは分けて語る必要があるだろう。彼が最近発言に注意していたのは、目前に迫った首相の座を意識したからではないか。韓国と日本は歴史問題、独島(日本名竹島)問題などをめぐって対立関係にあるが、対北朝鮮問題、経済問題などをともに論議しなければならない間柄でもある。北朝鮮の核問題にせよ、究極的な解決に必要な資金を払える国が韓国以外には日本しかないのも現実だ。
また、日本は韓米日の三角関係の一角を占めており、米国の立場から見れば日本が韓国よりも重要な軸であることも厳然たる事実だ。韓国は北朝鮮の核問題だけでなく、その後に至るまで米国とともに歩まなければならない。韓国が日本は嫌いだといえば、米国がわれわれとだけ手を結んでくれることを期待するのは愚かだ。われわれは米国を通じ、嫌いでも日本と手を結ばなくてはならない立場にある。
日本で自民党政権が続く限り、今後も小泉、安倍、麻生の各氏と似たような首相が誕生するかもしれない。今は韓国も短期的な対日政策ではなく、韓米日に中国まで含めた複雑な国際関係の政治力学の中で、長期的かつ深層的に韓半島(朝鮮半島)の未来を考え、実践していくべき時が来ている。
歴代の日本首相は就任時に韓国国民に聞こえがいい発言をたくさんしても、逆に韓国人の心にくぎを打ちつけるような行動を繰り返してきた。麻生氏がどんな人物かどうかはやがて分かることだろう。
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