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麻生氏「天命」4度目挑戦、圧勝で自民党総裁キター!

 自民党総裁選が22日行われ、麻生太郎前幹事長(68)が全票数の7割近い351票を集める圧勝で第23代総裁に選出された。麻生氏は24日に第92代首相に指名され、同日中に新内閣を発足させる。「オタク文化」に通じた政治家らしからぬ一面でブレークした感があるが、本来の姿は資産家の家庭で育った政界屈指のスーパーセレブ。明治維新の元勲・大久保利通から祖父の吉田茂元首相まで、その家系はまさに「華麗なる一族」だ。その一方で“お坊っちゃま”ゆえの脇の甘さか、それともサービス精神なのか、しばしば飛び出す暴言&失言がアキレス腱(けん)に。良くも悪くもエピソードに事欠かない「太郎伝説」を検証してみた。

 ◇家系は近代史

 麻生氏は1940年9月20日、「九州の炭鉱王」と呼ばれた麻生グループ代表・太賀吉さんと和子さんの長男として生まれた。

 高祖父は、明治維新の立役者となった大久保利通。曽祖父は内大臣などを務め昭和天皇側近として知られた牧野伸顕。中でも麻生氏のキャラクターに決定的な影響力を与えたのは、母方の祖父である吉田茂元首相だ。

 小学3年時に福岡から上京。学習院初等科に転入した麻生氏だが、授業中にしばしば使いの者が現れ「総理がお呼びです」と学校を早退させられることがあった。早退して吉田氏と一緒に出かけた先は寄席。時には記者会見場に連れて行かれたこともあった。

 その一方で父親からは「もし、おまえが誘拐されても助けない。お国のためだと思ってくれ」(文芸春秋、89年9月号)と告げられたという。誘拐されれば吉田首相への脅迫が目に見えていただけに、国益のためなら息子の命もあきらめる覚悟だった。

 学習院大卒業後はサンケイ(現・産経)新聞などを経て、25歳の時に家業の麻生産業に入社。麻生氏が家業に専念し、次男の次郎氏が政治家になるというのが一家の方針だったが、次郎氏は64年にヨット事故で死去。麻生氏が、国政に打って出ることになった。

 ◇規格外セレブ

 麻生氏は政界でも屈指のセレブだ。弟の泰氏がトップを務める家業の麻生グループは関連会社約70社を傘下におさめている。

 福岡県飯塚市の生家は約2万坪の大邸宅。外周を白い塀が囲み、小高い山がある敷地内には20年以上前まで麻生氏の趣味であるクレー射撃の射撃場もあった。日本クレー射撃協会副会長の渡辺幹也氏によると、麻生氏は大卒の初任給が1万円に満たない時代に、500発入りの1缶1万8000円の弾を1日で使い切っていたという。「私は1日で50発がせいぜいだった…」(渡辺氏)。

 純和風の屋敷は約520坪の規格外の広さ。直線で100メートルはあろうかという廊下が、正面玄関から伸びている。渡辺氏は「玄関に白い手袋をはめた執事が3人いて『ぼっちゃま、お帰りなさいませ』と言うんです。あれは衝撃的でした」と振り返った。

 現在の住まいは父・太賀吉氏が戦時中に購入した渋谷区神山町。敷地の広さは約1100坪で資産価値は数十億円に上るという。

 吉田内閣の首相番記者だった政治評論家の三宅久之氏は「40年ぐらい前までは、近くにある松濤幼稚園に運動会をやるスペースがないということで麻生氏の庭を借りてました」と証言した。

 ◇毒舌は昔から

 「これまで特技は何かと聞かれたら、ババァ芸者にモテることだって答えていた」(週刊朝日、06年10月13日号)―。セレブで優雅な家柄には似合わない「べらんめえ口調」。口の悪さが麻生氏の演説の面白さでもあるが、暴走することもしばしばだ。

 今回の総裁選中も名古屋での街頭演説で「(洪水が)安城や岡崎だったからいいけど…」発言で批判を浴びたのが記憶に新しい。

 古くから麻生氏を知る三宅氏は「ユーモラスな語り口ながら少々自信過剰なところがある。子供のころから顔は知っていたが、初めて言葉を交わしたのは議員になってから。その時の印象? 頭が高い男だなと」。与党内で浮上する早期の衆院解散論の理由の1つには、新総裁の失言が「アキレス腱」になりかねないからだ。

 日本青年会議所会頭時代のインタビューで政界入りの可能性を聞かれ「いずれオレみたいな人間が必要な時が来るよ、こなきゃ、それにこしたことはないけどな…」(週刊サンケイ、78年6月8日号)とぶち上げているのだが…。

 ◇装いも麻生流

 麻生氏はスーツの着こなしには定評がある。1963年に母・和子さんに連れられてきたのが東京・青山の「テーラー森脇」。学生時代から45年間、変わらずオーダーしており、毎年6~10着を仕立て続けている。素材は定番のウーステッドで1着30万円前後だという。

 店主の森脇精一郎さん(76)は「ビジネスでは紺かグレー。カジュアルでは枠が外れてピンクのジャケットや紺と黒と緑のタータンチェックなど、英国調でエレガントで思い切ったものを着る」と麻生氏のファッションセンスを語る。

 麻生氏の体形、サイズは45年間ほとんど変わっていないという。ベルトレスでスラックスをはきこなすのはメタボとは無縁の証しだが、総裁選告示後、森脇さんに「やせちゃったよ」とズボン直しの依頼があった。ハードな日程の影響か胴囲が3センチほどやせたという。

 おしゃれな装いは昔から注目され、衆院選で落選し浪人中だった84年には女性誌「anan」に登場。「男はすこしワルがいい」とのタイトルで著名デザイナーの菊池武夫氏と対談。「ちょい不良(わる)」の先駆者として?存在感を示した。

 祖父の吉田元首相と同様に葉巻を愛するなどダンディーなたたずまいの一方で、今年7月には地元の「飯塚キ園山笠」祭りに二十数年ぶりに参加。ふんどし姿となり「67歳とは思えません」(側近議員)という“美尻”を披露した。

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(2008年9月23日06時03分  スポーツ報知)

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