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【コラム】「米国は韓国のせいにするな」(下)

 上品な容姿で、駐英大使も務めているため、ワシントンの外交官たちの間では「イギリス紳士」のような印象を持たれている李大使が激しい発言をしなければならないほど、韓米FTAの批准案が今年中に米国議会を通過する可能性は低くなっている。米国議会調査局(CRS)は16日、報告書で「ブッシュ政権と議会内の民主党執行部や同党の大統領選候補者との見解に差があるため、今年中に韓米FTAの批准への同意は不可能ではないか」という悲観的な見方を示した。11月4日に行われる米大統領選の前に、韓米FTAの批准への同意が得られる可能性は「0%」だとする見方に、誰も異見を唱えない状況だ。

 韓米両国の政府が期待しているのは、通常は米大統領選の後に開催される「レームダック・セッション」だ。共和党のジョン・マケイン候補が当選しても、民主党のバラク・オバマ候補が当選しても、その政治的な影響力が最も小さい時期を利用して、FTAに関する案件を処理することが可能ではないかというわけだ。

 韓米FTA批准案の同意に関し、カギを握っている民主党は、大統領選後に態度を変える見通しはほとんどないが、両国政府の高官らはあきらめていない。特に李大使は一部の批判にもかかわらず、米国議会の上下両院の議員たちと随時面会し、FTAを通過させるよう要請している。成功する確率が低い「政治ゲーム」に没頭している韓米両国政府が、この難関をどう乗り越えるのか注目される状況が展開されているのだ。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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