[５歳女児変死]窒息死の可能性　手などで口ふさがれる？

　千葉県東金市で、同市田間の看護師、成田多恵子さん（３７）の次女、幸満（ゆきまろ）ちゃん（５）が遺体で見つかった事件で、幸満ちゃんは口や鼻を手などでふさがれて窒息死した可能性が高いことが、２２日の司法解剖でわかった。窒息時にできる皮下出血が顔面にあり、手など柔らかいもので口をふさがれたらしい。周辺では５月以降、女性を車で追いかけるなどの不審者情報が相次いでおり、県警東金署捜査本部は事件との関連を調べている。

　千葉大医学部で２２日朝から実施された司法解剖の結果、脳や内臓、骨などに損傷はなく、内出血などもなかった。首を絞められたような跡はなかったが、目の付近に数カ所、窒息した時にできる点状の皮下出血（溢血＝いっけつ＝点）があった。

　溢血点は急性窒息死の死体に特徴的な所見とされ、皮膚や粘膜にできる。捜査本部は口や鼻を手や柔らかい布などでふさがれ、窒息した可能性が高いとみているが、薬物などによる死亡の可能性も捨てきれないとして、尿や血液の検査もする。

　幸満ちゃんは身長１０９センチ、体重１８キロで５歳児としては平均的な体形。胃の内容物から昼食は取っていないとみられる。

　一方、現場周辺では今年５月以降、小学生の女児や女性が車で追いかけられるなどの事件が相次いで発生。地元住民によると、幸満ちゃんが通っていた市立第一保育所近くで５月下旬、歩いて帰宅途中の２０代の女性が、目出し帽をかぶった男に車で追いかけられ、女性は首筋にはさみを突き付けられた。畑に連れ込まれて写真を撮られた。女性は被害届を出した。

　ほぼ同じころ、保育所近くの公園付近で、小学生の女児２人が車で追いかけられ、公園にいた女性に助けを求めた。７月中旬には高校２年の女子生徒が自転車で通行中、乗用車に数十メートル追いかけられたという。この間、付近の約８００世帯に「不審者情報多発」と題した回覧板が回された。

　幸満ちゃんが着ていた衣服や靴は、遺体の遺棄現場の北約１００メートルの駐車場に止めてあった乗用車の下に、ビニール袋に入れて捨てられているのが見つかった。

【中川聡子、斎川瞳、飼手勇介】