2008-09-22

急に思い出したから書く

建設業の営業を派遣会社経由で応募したときのこと。当時27歳。高卒正社員経験はあまりないし目立った資格もない。

相手会社からは3名(部長課長、総務人事担当)。それぞれ50代後半、40代、40代といったところか。こちらは俺と派遣会社の営業(男)。室内には合計5名。

仕事の中身の説明やこれまでの経歴など、ごく普通面接が続く。自分でも受け答えもちゃんと出来ているし、派遣の営業担当も満足そうな顔をしている。ただ、部長の顔だけは履歴書を読んだ後からずっと曇ったままで、たまに腕組みして目まで閉じている。

15分くらい経って、課長が中央の部長に「何かありますか?」と聞いた途端、部長は一瞬唸ってから「……あのね、営業っていうのは、会社の顔なわけですよ。会社の名前を背負って取引先様へ出向いて様々な打ち合わせをしたり、話し合いをするわけです。…はっきり申し上げて、こういう経歴の方にうちの会社の名前を背負って欲しくないなあ、僕は」

場が凍りついたようにシーンとなる。課長は何とかしようと思ったのか「え、えっと…あの…」と慌て始めるし、派遣会社の営業担当は「し、しかし、こうしてやる気も見せておりますので…」など取り繕うのに必死。俺は圧倒されてしまって無言&涙目。部長は「いや、ごめんなさい。先へ進んでいいですよ」と一言だけ。

その後は人事担当などから質問を受け、ショックを受けつつも答えることに専念。しかし、一瞬間が空いた途端、さっきの部長が「ねえ、もういいでしょう」と言い出した。他4人は「え?」っていう顔。「もう、質問することもそんなにないよね。もういいでしょう」と無理矢理切り上げようとしはじめて、それに押される形で面接は終了。部長だけは、俺や派遣の営業担当の顔すら見ようとせず、さっさと足早に部屋を出ていった。

派遣営業は顔を青ざめてた。彼と一緒に会社を出たんだけど、派遣営業だけは人事担当とちょこちょこっとだけ話をしていた。二人ともすごく神妙な面持ち。俺は相変わらず涙目。別れるとき、派遣営業は「今回は…まあ、仕方がないと思って…また連絡します」とだけ言って、俺のほうも「いいえ、こちらこそありがとうございました。またよろしくお願いします」とだけ言って別れた。

内心「この会社の前で腹切ってやろうか」って思った。

後日、ハロワにてこの建設会社求人票を発見。「営業」「大卒以上」「営業経験5年以上(法人営業が望ましい)」……話が違うじゃないか、派遣の兄ちゃんよ……。

いろいろと死にたくなるくらい凹んだけど、まあなんとか生きています。


※誤字の訂正と加筆しました。

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