秋と書いて「とき」と読ませることがある。「いざ決戦の秋(とき)」などという。古代中国では、大切な収穫の時、秋が終わるとともに政権争奪の戦いが始まったからだともいう 自民党総裁に麻生氏が就き、前日には民主党小沢代表が3選されている。解散・総選挙となれば2008年の秋は文字通り「決戦の秋(とき)」である。加えて11月4日は米大統領選の投票日。国内外とも政治の秋だ 麻生氏は吉田茂元首相の孫だが、小沢代表の父・佐重喜氏は吉田側近で建設相を務めた人である。その縁を思ってか、小沢氏はかつて麻生氏を「すばらしい教養と資質を持っている」と持ち上げたことがある 本音はどうか。今は「総裁選ごっこの自民」と切り捨て「最後の一戦」を旗印に戦う小沢代表。一方、初めて総大将となっての戦いを始める麻生総裁。「最後の勝利」は、両者どちらに転がり込むかは分からない その昔、秋の終わりに戦いの火ぶたを切ったのは収穫期の農民を思ったからだろう。時を選ばず年中、戦に明け暮れていては、政治は国民に見放され「終わりの始まり」となる。有権者の血も騒ぐ秋である。
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