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◆西武1―6楽天(22日・西武ドーム) 楽天の岩隈が優勝のかかっていた西武を7回1失点に抑えて、今季20勝目(3敗)を挙げた。シーズン20勝到達は03年のダイエー・斉藤(現ソフトバンク)、阪神・井川(現ヤンキース)以来5年ぶりの快挙だ。この日、オリックスが勝ったため、西武の優勝マジックは2のまま。4年ぶりのリーグ制覇は23日以降に持ち越しとなった。
ハイタッチに加わった岩隈に、今季20個目のウイニングボールが手渡された。しっかりと白球を握りしめると、勝利の喜びがジワッとわいてきた。「すごく、素直にうれしいです。チームのためにやってきた結果だと思っています」4点のリードをもらい、7回6安打1失点。自身8連勝で、両リーグを通じて5年ぶりの大台に乗せた。
胴上げはさせない―。報道陣が多く集まった西武Dは、雰囲気が違った。エースの右腕にも自然と力が入る。「緊張してましたね。集中していたように思います」2回、ブラゼルに同点打を浴びたが、低めを意識した投球で次第に岩隈のペースとなる。中5日での次回登板を見据え、わずか84球でマウンドを降りた。
最大のピンチは2点リードの6回無死一、三塁。カウント2―3からこん身の直球で石井義を空振り三振に仕留め、二盗のスタートを切った栗山もタッチアウトで併殺。今季、パ・リーグ相手に被本塁打ゼロの“伝説”は、190発の重量打線相手でも不変だ。「この時代に20勝は大したもんだ。1人で貯金17…。何で最下位なんだろう」野村監督も目を見張った。
04年オフ。「20勝を目指す」と宣言したのは楽天の入団会見だ。しかし、そこからがイバラの道だった。禁止された2段モーションの修正、右肩痛…。06、07年で計6勝だった。昨オフには右ひじの遊離軟骨を除去する手術を受けた。「迷惑をかけてきたので、今年はどうしても勝ちたかった」自らスポーツ用品店で購入した小型のラグビーボールをキャッチボールに使い、ひじの負担を減らすフォーム作りも追求した。ローテを守ることを優先し、早い回で降りることもあった。すべては数多く勝つための用意周到なプランだ。
111イニング連続で被本塁打0のまま、残りの先発予定は2度。背番号と同じ21勝も見えた。今年、自らの寄付金でタイに建てた子供向けの図書館の名前は「ピースフルワールド21」。思い入れのある数字が目の前にある。5位ソフトバンクとも1・5差。「最後まであきらめずに戦いたいです」20勝は通過点に過ぎない。
(2008年9月23日06時03分 スポーツ報知)
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