上富田町教委は、同町生馬、上富田浄化センター内に不登校や引きこもりの児童、生徒らを支援する「適応指導教室」を9月から開設した。不登校の子どもらに来てもらい、外に出ることに慣れてもらう。最終的には学校生活への復帰を目指す。町教委は「先進地の例を参考に、学校と連携しながら取り組んでいく」と話している。 不登校の子どもにとって、学校の近くよりも少し離れた場所の方が通いやすいということから、上富田浄化センター内の研修室を教室として使う。 教室の広さは約52平方メートル。ホワイトボード、パソコン、テレビなどを設置している。児童、生徒の要望に応じて、将棋、縄跳びといった備品や図書を充実させていく予定。 時間は原則、祝日を除く月曜から金曜までの午前10時15分〜午後3時45分。学校のように決まった時間に授業をするのではなく、事前に連絡してもらい、好きな時間に遊びに来てもらう。 読書や指導員との会話を楽しみながら、不安の改善を支援する。これまで見学する保護者や不登校の生徒2人が訪れるなど、徐々に活用されているという。 子どもの状況や取り巻く環境を把握しようと、4月から指導員が家庭訪問などをしている。今後も家庭訪問や手紙、電話で、交流を深めていく予定。ただ、頻繁になると逆に子どもの負担になるため、様子を見ながら行う。 幼稚園と小学校の教員免許を持つ指導員の堀部有貴さん(25)は「先生というより“お姉さん”というような感じで接してもらえれば。自主的に学習したいという意欲があれば、教えられる範囲で指導もする」と話す。谷本圭司教育長は「通所してもらったら、学校を出席扱いにすることも考えている」と話している。 町教委によると、町内の小中学校の児童、生徒数は5月1日現在、計1412人。8月末現在で10人の不登校児童、生徒がいる。町教委が把握している中では、いじめによる不登校はないという。