西日本新聞

「選挙勝ってこそ天命」 早速 強気の“麻生節” 自民新総裁 多い失言 危うさ含み

2008年9月23日 00:11 カテゴリー:政治

 「男は何度でも勝負する」と挑戦四たび。筑豊生まれ、遅咲きの男がついに「宰相の座」に手をかけた。22日、自民党新総裁に選ばれた麻生太郎氏(68)。吉田茂元首相を祖父にもつ「華麗なる一族」出身ながら、歯に衣(きぬ)着せぬ発言と明るいキャラクターが人気を呼び、圧倒的な地方票を集めた。2代続いた「政権投げ出し」にあきれる国民の不信を一掃できるか。「次なる選挙に勝って初めて天命を果たしたことになる」。さっそく“麻生節”を披露した。

 22日午後、東京・永田町の党本部。「麻生太郎君351票」。拍手の中、頭を下げた麻生氏。あいさつでは「130年前の本日、吉田茂が生まれた」と奇縁を紹介、高揚感を漂わせた。

 夜の記者会見では緊張が和らいだのか、質問者に「あなたIQがどれくらい高いか知らんけど…」などと脱線する一幕も。写真撮影では満面に笑みを浮かべた。

 順風満帆の政治家人生ではない。40歳目前で政界入りしたが、一度落選。初入閣は56歳と遅めだった。総裁選に初挑戦し、注目された時は60歳になっていた。

 無類の漫画好き。英語も「べらんめえ口調」で操る。人気アイドルSMAPの番組に出演するなどメディア露出にも積極的で、「自称『秋葉原オタク』の皆さん‐」と呼びかけた演説はネット界の“伝説”と化した。この日も、「9月22日はタロー記念日」と記した大判紙を手に「麻生ファン」約50人が党本部前に集結。わざわざ足を運んだ麻生氏はガッツポーズで応えてみせた。

 ただし、「創氏改名は(朝鮮人が)名字をくれと言った」など失言も多い。初対面の新人議員と通り掛かりにハイタッチする気さくさの半面、「ひと言多く敵をつくりやすい」(九州選出議員)。「This is 麻生太郎、文句あっか」と周辺は擁護するが、陽性な言動は危うさと隣り合わせでもある。

 一方的な展開となった総裁選は「消化試合」の様相も呈した。汚染米問題など政府の怠慢に対する国民の目は厳しい。「何でも反対の古典的反対政党だ」。会見でそう民主党を切り捨て、小沢一郎代表への対抗心をむき出しにした麻生氏。まもなく「選挙の顔」として真価が問われる。 (東京報道部・相本康一)

=2008/09/23付 西日本新聞朝刊=

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