逮捕された母親の富石薫容疑者(35)は以前から育児の悩みと、自分の体調がすぐれないことを周囲にこぼしていた。追い詰められた末の犯行だったのか。「また弘輝を産みたい」。通夜の席ではそう話し、涙を見せたという。
「弘輝はすぐどこかへ行ってしまうから、手をつないでないといけない」。薫容疑者がそう話すのを聞いたことがあるという知人や、通学先の小学校によると、弘輝君は一つのことに集中できなかったり、突然予想できない行動を取ったりすることがあった。
薫容疑者は知人に「以前も、保育園で突然どこかに行ってしまって…」と悩みを打ち明け、自分の健康状態についても「布団から起き上がれないこともある」とつらそうに話していた。
薫容疑者は仕事をしていたため放課後は学童保育を利用して弘輝君を預けていたが、今年夏ごろに仕事を辞め、利用できなくなったという。知人は「体調が悪い中で一人、弘輝君の面倒をみていたのだろう」と話す。
薫容疑者は夫(33)と、弘輝君の三人暮らしだった。
「できることならまた、弘輝を産みたい」。通夜の席で、ひつぎのそばを一人動こうとせず、弘輝君の顔を見詰めながら静かに泣いていたという薫容疑者。
犯行現場の公園で弘輝君の第一発見者となった男性(62)によると、弘輝君のサンダルは、足元にきれいにそろえて置かれていた。
|