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飲酒運転:受刑者にアルコール依存“自覚療法”…法務省

 法務省は、飲酒運転で事故を起こすなどして服役する受刑者の改善指導に、問題を自覚させて行動の修正を促す「認知行動療法」の手法を取り入れる方針を決めた。飲酒運転の背景にはアルコール依存症があるとの指摘が多いためで、治療を重視したプログラムを策定。依存症からの脱却を図り、再犯防止につなげるのが狙い。

 法務省矯正局によると、ひき逃げや危険運転致死罪などで約3000人が服役中で、うち約4割は飲酒運転が関係している。受刑者の一部は、飲酒運転の理由に「少しくらい飲んでも大丈夫」と根拠のない過信を挙げ、背景に「やめたくてもやめられない」というアルコール依存症があるという。

 このため法務省は、出所後の飲酒運転による再犯を防ぐには、認知行動療法を取り入れた依存症の治療プログラムが不可欠と判断した。認知行動療法は、問題行動の原因となる認識や行動のひずみを自覚させ、修正を目指す療法。性犯罪者への指導では既に取り入れている。

 法務省は来年度、専門家に治療プログラム策定を依頼し、刑務所職員が指導に使い始める予定。飲酒できない刑務所内は断酒のきっかけになることが期待され、依存症を断ち切って最終的に断酒につなげる。

 矯正局は「飲酒運転の根拠のない過信は幻想で、犯罪につながることを認識させることが再犯防止につながる」と説明している。【石川淳一】

毎日新聞 2008年9月22日 15時00分(最終更新 9月22日 15時00分)

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