序盤戦。開始直後から伏線の矢が飛ばされるので注意が必要。第4楽章が濃いかも。
全体的にTOKYO
JUPITERの時間の流れが結構いい加減に計算されている感じです。 |
■赤き星への進攻
冒頭、複数の戦闘機が空母から飛び立っていくのだが、その進攻方向にある木星のようにも見える巨大な半球状の空間が序盤の舞台となるTOKYO
JUPITER。この時点ではこの半球状の空間が意味するもの、攻め入っていく組織、攻め入る理由などはまったく伏せられている。
「ラーゼフォン」の舞台となる2027年の世界情勢が劇中で説明されるのは第3楽章に入ってからとなるのだが、それを受け入れる頃には既に張られた多くの伏線を見逃してしまう可能性が高い。という訳で、当サイトでは「ラーゼフォン」という作品をより深く理解するために、事前に公式ホムペで基礎知識を叩き込んでおくことをお勧めする。つーか、この次の記事から既に基礎知識が必要なの。ごめんなさい。
■TERRAの使用する腕時計
戦闘機(晨星)のパイロット(エルフィ・ハディヤット)の腕時計を見る限り、外界の日時は2027年11月24日16時27分、TOKYO
JUPITERは2015年7月4日7時56分。この日、綾人は休日に模擬試験を受けるために地下鉄に乗り込む訳だが、実際のカレンダーでも2015年7月4日は土曜日、ついでに2027年11月24日は水曜日である。
後の劇中のセリフ(第4楽章)でも語られることになるが、月日・季節が異なること、腕時計の中の「秒」の進むスピードがTOKYOだけ遅いことなどから、TOKYO
JUPITERの中は情報操作による年月日の違いだけではなく、時間の進み方がそのものが遅い通常とは異なる空間であることがわかる。この速度差は約1/6となるのだが、詳細が明かされるのは第4楽章以降。
JUPITERということで気になって調べたところ、太陽系の木星の公転周期は11.862年、自転周期は9時間55分であり、TOKYO
JUPITERの時間経過とは無関係でした。
■首都進攻
第1楽章のサブタイトル。公式ホムペなどである程度の知識をもっていない場合は、ここで初めて戦闘機が攻め入っていく目標が東京であるとわかる。しかし実際には、外界から見て既に15年間もの間、機能が麻痺している東京は首都として認識されていないはず。おそらく大阪や名古屋、札幌辺りが新しい首都になっていると思われるため、このタイトルは綾人たちTOKYO
JUPITERの住民(と視聴者)から見た場合のモノとなる。
英題「OVER LORD」はTERRAの東京侵攻作戦の名称「オーバーロード作戦」から。
ちなみにタイトルバックの絵はTERRAのマーク。オープニングのFHスーツ姿の綾人の肩などにも見られる。
■綾人の描いた絵
夜更かしというか徹夜で描き上げたらしい綾人の絵。一目瞭然だが本エピソードで登場する美嶋玲香にそっくりの少女が描かれている。玲香が画面初登場の時点で綾人と知り合いらしいやりとりが交わされるが、彼女のもつ強制力(これについては後述)を考えると、この絵は「クラスメイト」を描いたものではなく、「綾人がイメージとしてもっている少女像」を描いたものと考えるのが無難。
この絵が完成したと同時にTERRAの攻撃が開始されていることを考えれば、綾人の一挙手一投足が劇中の世界の原動力になっていると受け取ることができる。既にこの時点で終局へ向かう1ピースがはめられているのである。注意。
■尾行に気づく綾人
遙の尾行に気づく綾人。本エピソードで綾人が公安から追われるのは、侵入したTERRAの諜報員=遙がオリンに接触するのを阻止するためであるが、ラーゼフォンに世界で唯一同調可能な綾人は普段から公安などに監視されていたことが予想される。綾人が遙の尾行に気づくのも、以前から誰かに見張られているような感覚があって背後の気配に敏感になっていたためではないだろうか?
朝比奈の「自意識過剰〜」というセリフも日常茶飯事の会話だったのかも。
■飛行機の音
綾人が地下鉄に乗り込む際に聞いた飛行機のジェット音と、公安が綾人の家を訪れている際に家の上空に見える複数の飛行機雲が、TERRAの晨星が侵入してきたことを現している。しかし、東京の外から攻め入ってくる敵=インベーダーの襲来に怯えているはずの東京もこの時点では戦闘態勢に移行していない。
これはTOKYO
JUPITERの外壁である絶対障壁を今までに突破されたことがなかったために・・・つまり東京の内側から見れば侵攻されたことがなかったために、対応が遅れていたものと考えられるが、首都を守っているつもりの防衛軍にとってみれば東京は人類最後の砦、東京以外の全ての地上を破壊したインベーダーに対し、少々不用心すぎる感覚である。
あと、綾人がジェット音を聞いて驚いているのは、東京の上空にジェット機が飛ぶことなどほとんどないせいなのかも知れない。半径約48kmの世界では、一般の空港なども閉鎖されているはずである。
■綾人の趣味
地下鉄内の綾人と朝比奈の会話から、綾人が自宅で絵を描いていることは、親しい友人だけが知るナイショの趣味らしいことが読み取れる。第2楽章での学校のシーンでも美術部に在籍しているような描写はないし・・・つーか、そんな描写を出している暇ないか。
朝比奈と鳥飼が綾人の趣味を知っていることは、後々のために覚えておいた方がいいかも知れない。
■インベーダー
綾人たちの乗っている地下鉄の車内チラシにインベーダー襲来の記事が書かれている。
劇中の描写を見る限り、青い血をもつ人間だけがMUとドーレムの存在を知っており、その他の人間は例え軍属であってもインベーダー(MUという単語は用いない)は宇宙から来るモノで、しかも東京周辺は常にインベーダーが襲ってくる危険性がある区域となっているようである。おそらく空港には民間機がなく、電車は適当な駅を終着駅にしているのであろう。
2012年のMU襲来も、インベーダーによる東京以外の地上壊滅としてと報道されていると予想されることから、青い血をもつ人間またはその候補者たる人間が2012年以前に下準備(マスコミの規制とか)を進めていたものと考えられる。
また、絶対障壁は外側からは視認可能な木星に似た「表面」が存在するが、内側から見ると壁らしい壁は確認されず、当然手で触れて確認されるような壁があるようにも見えない。TOKYO
JUPITER内の外縁付近に生活している住民でも、そのさらに外側には普通の景色(焼け野原とか?)が広がっていることが予想される。つまり、絶対障壁は特定の空間を囲って時間の流れを遅くしているのではなく、時間の流れが遅い非特定の領域を内包したものであると考えられる。要するに半径約48kmのTOKYO
JUPITERだが、その内側は半径約48km以上、もしかしたらかなり広大な空間が形成されているのではないだろうか?ってことです。
■朝比奈の血
地下鉄の脱線事故により怪我をした朝比奈。これを助けようとした綾人の左手に赤い血がつく。このカットは後に公安の青い血を拭った部分と対になっており、これらのインパクトの強い視覚情報が綾人の混乱を助長することになる。
■誰もいない秋葉原
地下鉄から出てきた綾人が街に誰もいないことで驚いているシーン。一瞬、映画「トゥルーマン・ショー」のように東京の町そのものが綾人に日常を過ごさせるために出来た舞台装置なのかと疑ってしまったが、地下鉄に乗っている間に周辺に避難勧告でも出たのかも知れない。
一連の戦争のシーンで綾人が死にそうになる部分が多々あるが、TERRAもMUも綾人を守ろうとして動いている気配はこの時点では全くない(実際には紫東遙が救助に向かっている)。MUは公安が綾人を保護しているはずと考えていたようだが、TERRAのパイロットたちは綾人はもちろんのこと、遙が侵入している目的すら知らなかったことが、第4楽章で判明する。
■美嶋玲香との出会い
街中を逃げ惑う綾人が瓦礫の山の上で1人の少女と出会う。
思わず「美嶋・・・玲香」と彼女の名前を口走る綾人だが、玲香を以前から知っていた訳ではないらしいことが第2楽章で判明する。その辺の考察は後述の「玲香の強制力」でまとめる。
−今回の久遠語録−(必ず解読不能となるためメモだけ残します)
戦の色・・・翼きしむ始まりの音・・・(功刀のヘッドフォンを取り上げ、発進する晨星を見ながら)
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■防衛軍
晨星を迎撃しようとする軍隊は「自衛隊」ではなく、「防衛軍」である。東京以外の地上が滅びたことになっている東京の住民から見れば、まさしく「地球防衛軍」。晨星が戦車を破壊する描写があるが、公安と防衛軍の会話を聞いている限り、防衛軍もほとんどの人間が普通の赤い血の人間と考えられる。したがって、TERRAにとっては例え同じ赤い血の人間だとしても対抗勢力である限り、殺してでも排除すべき存在として捉えられていることになる。
あるいは、TERRAからみた防衛軍は全てMUの息がかかった人間により構成されていると見なされているのかも知れない。
■玲香の翼
綾人が缶ジュースを買っているシーンと、後の青い血の公安に会う直前のカットでは、意図的に玲香の後ろに翼が重なるようなカメラワークを用いられている。意味するところはもちろん天使ではなく、ラーゼフォンの翼である。もっとも彼女の存在そのものに「?マーク」が点灯し始めるのは第2楽章からで、この時点ではあくまでも「ラーゼフォンを象徴する不思議少女」というだけ。
■綾人の赤面
玲香と会話する綾人が幾度か赤面する。これは単純に淡い恋心を抱いているような描写に見えるが、美嶋玲香はクラスメイトではなく、ここで出会ったのが初対面らしいので、いきなり恋心を抱くというのもおかしい。んが、綾人が単純にカワイイ女の子に弱くて赤面しているのかというと、これもどうやら違うらしい。
綾人が描く絵の中の女の子へのこだわり、その女の子にそっくりな玲香に感じる好意、これらの感情の起伏が何に起因しているのだろうか?
■ドーレムの起動
ドーレムが起動する際は、東京湾基地の一室(九鬼らがいるオペレーション・ルーム)にムーリアンと呼ばれる人型の像が浮かび上がる。これがMUの構成人種なのかどうかは、今のところ不明。
フォルテシモ起動時に九鬼らのリーダーらしき女性(麻弥)が「彼の方なら大丈夫。オリンなしでは歌えない。」と云っているが、ここを素直に受け取ると、ドーレムの起動によりラーゼフォンが起動する可能性があること、しかしオリンという存在(後に綾人を指した言葉であることが判明)がない限り、その可能性は極めて低いということ、が読みとれる。要するに「現時点においては、ラーゼフォンには目覚めて欲しくないな〜。」という微妙なニュアンスを感じるのだが・・・。
MUにとってラーゼフォンという存在にどのような意味があるのか、おそらく終局まで引っ張られるテーマであろうから、この辺のセリフもピースとして覚えておいた方がいい。厄介なのが、MUにとってのラーゼフォンと九鬼ら青い血をもつ人間にとってのラーゼフォンで存在意義に微妙にズレがある点ですね。彼らはいったい何がやりたいのか?
■公安は見た!
アレグレットの暴れっぷりを横目に、公安がデジタル双眼鏡で綾人を確認するのだが、この瞬間、公安の人間は美嶋玲香の姿も確認している。実はこれは劇中で極めて異例なシーンで、これ以降、玲香自身が意図して姿を見せている相手以外に、カメラやセンサーで感知されたり、目視されたりするシーンは全く無くなる。気まぐれで公安に姿を見せてしまったのか?
■青い血
綾人を連れて行こうとする公安と乱入した遙との格闘戦。遙の回し蹴りを受けた公安が青い血を流す。事前の知識がないと、青い血をもってる人間=普通の人間ではない存在=MUと思ってしまいそうになるが、ドーレムのようなオーバーテクノロジーを駆使する存在が、車のナビゲーターで情報を引き出したり、普通の拳銃を持ってたりする訳がないと思うので、その辺の違和感から、どうやら元々普通の人間であった人たちの一部が青い血をもつことでMUの制御下におかれているのではないか?と受け取ることができる。ま、この辺の謎はすぐに劇中で解答が出そうですが。
公式ホームページである程度の知識を入れておかないと、第1楽章の時点では何が敵なのかほぼ理解不可能。
■地下鉄の操作
公安が駅に近づいてくる地下鉄の車両について「来たな。」と云っているが、結局、公安と遙がもめている間に綾人と玲香だけが乗り込み、車両は出発してしまう。どうやら公安が地下鉄の操作を制御している訳ではないようだ。
この時点で地下鉄を操作しているのは・・・おそらく玲香。後述でくわしく。
■玲香との約束
地下鉄に閉じ込められた綾人と玲香。綾人はこのとき「美嶋は僕が必ず守るから。」と約束しているが・・・。結果は第3楽章のとおり。彼は約束を守ることができなかったのだ。・・・というか、綾人は第4楽章以降守られてばかりになってしまう。
あと、地下鉄の吊るし広告が全て地下鉄の駅で玲香の背後に重なっていた鳥の絵になっている。単純に何らかの宣伝のためにアチコチに貼られているポスターなのか、それとも玲香のイメージとして映し出されるものなのか。後者の場合は地下鉄を操作しているのが玲香であるという考察にもつながってくる(ちなみに隣の車両や窓ガラスに映って見える広告は普通の広告なんだよね)。
■世音神殿
地下鉄の終着駅は世音神殿。「世音」と書いてゼフォン。うまい。ということはラーゼフォンはやはり「羅世音」になるのだろうか?「世音」という単語は観世音菩薩に見ることができるが、観世音は「世の音を観ずる」の意味でその名を唱えれば世の中の十二難三毒を征する力が発揮されるらしい(解釈により異説あり)。
一方、九鬼たちは次元卵のあった部屋を「ラーの間」と云っている。ラー(綴りは「Re」、ラーゼフォンは「Rah」なので微妙に違う)はエジプト・ヘリオポリスの太陽神であり、頭上に聖蛇のついた日輪をのせた姿をもつが、しばしば鳥頭の神ホルスと同様の姿で描かれることもあるそうだ。
ラーゼフォンの額の金色の円とバイザーの上の双眼を見る限り、伝説のラー神の意匠を引き継いでいる気もしますね。
■神殿内にドーレム
世音神殿のラーの間の直前にコケシのようなドーレムみたいな柱が立っているが、これは第6楽章で出てくるドーレム・リタルダンド。この時点では全身像を見ることはできない。
■次元卵
世音神殿の中心に置かれた巨大な卵。それは玲香の歌声に反応し、中から巨大な翼神を出現させる。
普通、ニワトリなどの卵では産まれるときは尖った方が下向き(地面に落ちたときに耐久性を発揮するため)、暖めるときは横向きや尖った方が上向きだったりして、尖った方を下向きにして放置するのは、冷蔵庫に入れて鮮度を長持ちさせる時である。水に漬けて冷やしていたことからも、やはりMUはラーゼフォンを目覚めさせたくはなかったのだろうか?・・・という冗談はさて置いて、水とラーゼフォンの関係については今後も多くみられる描写なので注意。
■赤く光る目
ラーゼフォンの起動に際して綾人の目が赤く光っている。この描写は今後もラーゼフォンに深く関っているキャラに繰り返されることになる。
綾人が「ラーゼフォン・・・」とつぶやいた直後に翼が卵から出現するのだが、次のカットをよく観察すると、既に綾人がラーの間から消えている。どうやら先にラーゼフォンの中に移動してから、卵を割ったらしい。
■エンディング
エンディングの歌については、今のところ歌詞が英語版のものなど4種類が確認されている。歌い手も橋本一子によるもの、妹の橋本まゆみによるもの、二人のデュエットによるものなど、違いがあるそうだ。
割れた卵。白銀(しろがね)の夢。知れども知り得ぬ見知らぬ友。あこがれとまどろみに染まる午後の色。響く大いなる翼、その旋律をもって少年を誘う。降臨せしは汝の名を知る者・・・
ラーゼフォン第2楽章「神人目覚める」・・・世は音に満ちて。
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■「僕はラーゼフォン」
卒倒した綾人の口を割って出るあまりにも正直すぎるセリフ。ただし、綾人(オリン)がラーゼフォンの核たる存在をアピールしたセリフなのか、ラーゼフォンと同調した際にラーゼフォンの意識が口を割って出たセリフ(目覚めの自己紹介?)なのかは、今のところ不明。
素直に受け取っておくのが一番でしょう。彼はラーゼフォンなのです。
■神人目覚める
第2楽章のサブタイトル。翼神ラーゼフォンの目覚めをうたったものだが、「神人」はラーゼフォンと「神」名綾「人」の二者にかかる言葉である。
英題「AWAKENING」もずばり「覚醒」の意味。たぶんAパートでの暴れっぷりではなく、Bパートでのご尊顔オープンの場面を指している。
■オーバーロード作戦の目的
UNKNOWN(ラーゼフォン)の出現を受けて攻撃目標をラーゼフォンに切り替える晨星の部隊。
TERRAのオーバーロード作戦の目的は、MUの要塞ヒラニプラの破壊と考えるのが妥当だが、防衛軍の兵器の破壊はともかく、ヒラニプラ出現後もフォルテシモやラーゼフォンを攻撃したりと、いまいち目的が掴めない。
TOKYO
JUPITERの絶対障壁を消すのが目的なら、部隊の一部をドーレムの迎撃に、残りの部隊をヒラニプラ攻撃にまわすのがセオリーだが、敵か味方かもわからないラーゼフォンを攻撃して、自己防衛本能(自律活動と呼べばいいか)による反撃を喰らってほぼ全滅となるようでは、作戦とは呼べないのではないかと思う。
この辺の真相がわかるのは第4楽章。
■TERRAによるラーゼフォンの認識
ラーゼフォンを「UNKNOWN」と呼称し、「D-1(ドーレム)ではない。」と云っているところを見ると、少なくとも晨星のパイロットたちはラーゼフォンの存在を知らなかったようである。
んが、後のシーンで遙はラーゼフォンを見た際にちゃんと名前を呼んでいるし、そもそも彼女の任務が綾人との接触を目的としていることを考えると、TERRAの少なくとも上層部は綾人とラーゼフォンの関係について、わずかなりとも掴んでいると読みとることができる。
そうすると、ラーゼフォンによりほぼ全滅した晨星の部隊は、作戦の内容も理解せずに犬死にしたとしか云えない情けない連中ということになる。うーむ。
■自律活動による反撃
顔を翼で覆った状態でTERRAの晨星とドーレム・フォルテシモを撃破するラーゼフォンだが、晨星のミサイル攻撃に対しては怪光線(どうやら波紋と呼ぶらしいが)、フォルテシモの音波攻撃に対しては音波の反射と、要するにもらった痛みは倍返しという自己防衛本能が働いているのだろう。搭乗者の意識がない場合はこういったモードになるのかも。
■共鳴
中破したフォルテシモと後から到着したアレグレットの合唱を聞いた九鬼が「共鳴している」と云って驚いている。「ラーゼフォンとドーレムが」ではなく、「ドーレム同士が」のように見えるが、起動後のドーレムの挙動については九鬼らの制御できる範疇を越えているらしいことから、ドーレム同士の意志疎通について驚いているととればいいのかな。
画面を見ていると絶対的な力を持つ王(ラーゼフォン)に平伏しているようにも見えるが、ドーレムとラーゼフォンが同じ文明の産物という確証は今のところない。
この後ラーゼフォンは自律活動を停止し、再び世音神殿内で休息に入ってしまう。
■ヒラニプラの消失
MUの空中都市ヒラニプラの消失を受けて「元の座標に戻りました。」と云っている。この座標はX、Y、Zの3次元座標ではなく、4次元以上の座標を指していると思われるので、MUが異次元に定位して東京を監視している存在だということがわかる。
TOKYO
JUPITERの中の時間の進行が遅いということは、3次元の常識で考えれば、非常にヘビーな重力を産む物体、またはむっちゃくちゃに重い物体がそこになければならないはずなのだが、こういった次元の操作が可能な存在となれば一応納得できる。
■麻弥だけ納得
ラーゼフォンの起動について「イレギュラーがあったけど予定通り。」と云う麻弥。第1楽章では「目覚めて欲しくないな〜」といったニュアンスを匂わしていた九鬼らに対して、麻弥は平然と事態を受け止めている。彼女は九鬼らよりも一段高い位置、MUの意志(意向)に近い位置から物事を判断していることがわかる。
つってもMUがホントに何考えてるのか全然わかんないな〜。大体フォルテシモがラーゼフォンを攻撃する理由もわからない。もしラーゼフォンをぶっこわしていたらどうなってたんだろ?
■VTOL
公安が綾人の鞄に入っていたイヤリングの指紋を調べ、VTOLの持ち主が外界からの侵入者であることを確認している。もちろんこのVTOLは遙が乗ってきたモノ。第1楽章で公安が綾人を保護しようとしたのは、この侵入者によるオリンの拉致を阻止するためだったことがここでわかる。
■麻弥の務める研究所
母親の勤め先について「研究所」と口にする綾人。車内での親子の会話を聞いていると、麻弥は幼少時から研究所に勤めて綾人をないがしろにしてきた状況が伺えることから、麻弥は2012年のMU襲来以前から研究所で何らかの研究を行っていたことになる(ないがしろにされてきた記憶自体が操作されたものであるという可能性も否めませんが)。
となると、この研究は次元卵に関するものと思われることから、世音神殿における次元卵の監視と研究は2012年以前から行われており、その研究の過程からMUを呼び起こしてしまったと邪推することも可能だ。
いんや、MUが2012年に襲来してその際に次元卵を世音神殿に持ち込んだとしても、ご丁寧に案内表示つきの地下鉄駅なんか作るはずがないだろうし・・・。なので、神殿周辺のこういった施設は2012年以前に設置されていたと考えるのが妥当。
■電話と玲香
綾人が電話で玲香と話しているが、麻弥がリダイヤルで電話をかけても「現在使われておりません」とアナウンスされてしまう。第2楽章における玲香の行動・言動から、彼女は綾人の心が産んだ虚像と考えることもできるが・・・この辺は「玲香の強制力」でまとめる。
ちなみに、ここでの電話と逆のことを第3楽章で麻弥がやっている。つながるはずのない青電話へのメッセージがそれだ。
■偽りの太陽
翌日の学校で、綾人が外を見つめながら遙の「この世界の全てを・・・」というセリフを思い出している。このとき浮かんでいる太陽・・・地球という世界を構成する上で唯一無二の存在である恒星ですらも、既に虚構の存在であることを、彼はまだ知らない。
いい演出してます。はい。
■「世界」地図
教室に架かっている日本と東京の拡大地図・・・東京の住民にとってはこれが世界地図となる。他に地上と呼べる大陸が存在しているかどうかも不明の状態のはず。東京湾のど真ん中にオレンジ色の点が見て取れるが、第2楽章の冒頭でラーゼフォンが飛び出してくる海上都市のような場所、これが地図上のオレンジ色の点、つまり東京湾基地(世音神殿)である。
■玲香の強制力
朝比奈と鳥飼は美嶋玲香という存在を知らなさそうにしていたにも関わらず、玲香が来た途端にクラスメイトとして接する態度をとっている。単純に玲香が他人の記憶を操作する力をもった人間かというと、この後のプールサイドのシーンでは水面に姿が映っておらず、電話の件も考慮すると実体のない虚像であるとも受け取れる存在である。
また第2楽章のBパートでは、遙のVTOLを強制停止させた上に世音神殿まで機体を導き、尚且つ世音神殿の上部ゲートを開けるなど、精神面だけではなく、物理的な現象まで平気で引き起こしている。
この辺はもう超能力や霊的な力の発現というには度を超えており、彼女にはそういった強制力(現実の制約を無視して結果だけを生んでしまうよくわからん力)があると納得するしかない。
朝比奈と鳥飼が玲香を知らなかったことから、第1楽章において綾人が彼女を美嶋玲香と呼んだシーンも彼女の力でそう呼ばせたと考えることができる。また公安が操作していない地下鉄に乗って世音神殿に着いたことも、全て彼女のもつ強制力がそうさせたものと考えれば、一応の説明はつく。
基本的に綾人の前かラーゼフォンの前でだけ出現することから、彼女はラーゼフォンと同化することを求めるオリン(綾人)の深層意識が生んだ別体と考えることもできる(映画「ファイト・クラブ」みたいな感じ)。んが、第3楽章では麻弥が玲香の姿を見ただけでイシュトリと判断しているので、少なくとも麻弥は以前から玲香の存在、姿を知っていたことになる。
■学校の部活動
綾人たちが通う高校では一般的なクラブ活動が行われているのだろうか?例えば野球部があったとしても、都大会が「世界一」を決める大会となってしまうし、当然、甲子園大会なども存在しないはず。プロ野球なんぞあるはずもないだろうし。
地球上の住民が2300万人しかいない世界ではスポーツや学業で「張り合う」という行為」が「バカらしい」と考えられているのではないだろうか?第1楽章において模試に向かう綾人が「努力は見るもんでしょ。」と語るシーンがあるが、そういった世界情勢を考えるとむしろ一般的な意見なのかも。
■ラーゼフォンとは?
プールサイドでの玲香の言葉を借りると、ラーゼフォンは「真実を映す鏡。世界を調律する者。」ということになるらしい。劇中でラーゼフォンについて語られるシーンは終盤以外ではここのみ。極めて比喩的な表現だが、この意味を常に頭に入れながら「ラーゼフォン」という作品を見ていかないとたぶん混乱してしまう。覚えておきましょう。
■遙からの手紙
遙が綾人に送ってきた写真は一瞬しか画面に映らないが、ラーゼフォンとフォルテシモ、ヒラニプラが撮影されている。第1楽章のラストで遙がいたビルの屋上から撮影されたものだが、普通のフィルムで撮影したモノをTOKYO
JUPITER内で現像に出したらアシがついてしまうので、おそらく持参したデジカメの画像をプリンターで出力したものと考えられる。
こんなものを普通にポストに入れられても、公安が侵入者と綾人の接触を阻止しようと動いている以上、すぐに発見され捨てられる可能性が高い。なので、この封筒は綾人の帰りを待っていた遙が綾人の姿を遠くから見て、速攻で投げ入れたものと考えられる。 |
■ドーレムの自己修復機能
小破したフォルテシモの顔が見ている間にどんどん修復されている。おそらく他のドーレムにも同様の機能が備わっていると考えていいだろう。東京湾基地においてもドーレムを修復する技術力はなく、全ては最初から備わっている能力に任せるしかないのかも知れない。
一方、ラーゼフォンは第4楽章以降で登場するネリヤ神殿の水柱によってのみ修復が可能らしい。ドーレムのバックにはヒラニプラが控えており、ここでの強制修復も可能と考えられるので、バックアップの面ではラーゼフォンは圧倒的に不利な状況にあると云わざるを得ない。
■遙、車を強奪
遙が乗っている車は青い血の公安から奪ったもの。カーナビのような機械で自分が乗り込んできた際に使用したVTOLが朝霞に移動させられたことを突き止め、口笛を吹いているのである。しっかし公安の兄ちゃんたち弱っ!。
ついでに云うとこの車の中のシーンから彼女はイヤリングを両耳につけているのだが、綾人の鞄から公安が取り出したイヤリングを取り返したのだろうか?
■世界の人口
遙の口から世界の人口が60億人であることが告げられる・・・というか、綾人が知る世界の中では2300万人が世界の総人口であることが、視聴者に告げられる。うーん、60億人・・・一応、現在の世界人口は約61億人なので、2012年にMUが襲来した際に1億人ほど涅槃に送ってしまったのかも知れない。というか、遙のことだから省いて60億と云ったのか?
ちなみに東京都の現在の人口は約1200万人。TOKYO
JUPITERが形成された際に周辺の市区町村も含まれたと考えられるが、2012年までにかなりの人口増加があったようだ。
■ラーゼフォンを起動させる玲香
玲香がラーの間に出現し、歌声によりラーゼフォンを起動する。前回の起動時は翼を閉じた状態だったが、今回は翼を開いての完全な目覚めである。この後、VTOLの中にいる綾人は「僕を待っているヒトがいるんだ。」とつぶやき、そのままほとんど意識を失った状態でラーの間に降下、ラーゼフォンに乗り込んでしまう。
プールサイドで玲香と会話した時は、「望みさえすれば・・・」と云っていたのに、遙に無理矢理VTOLに乗せられ、玲香によってほぼ強制的にラーゼフォンと同化させられてしまう辺り、別に望んではいないよなぁと思ってしまう。
ま、VTOLで出て行ってしまうとラーゼフォンの入手は困難になってしまうので、ここでは玲香が気を利かしてくれたと考えよう。
■ラーの間の天井に穴
VTOLがラーの間に降りてきた際、天井の穴から入ってくるが、これは第2楽章の冒頭、ラーゼフォンが起動した際に開けた穴。海上に出るゲート(VTOLが降りる際に開いたシャッター)はちゃんと開閉できるものだが、これはドーレムの発進に用いるゲートで、ラーゼフォンが外に出ることは今まで想定していなかったのだろう。
上の方で書いたが、遙はラーゼフォンを見た瞬間に「UNKNOWN」ではなく「ラーゼフォン」と呼んでいるので注意。
■怯える綾人
ラーゼフォンの中で意識を取り戻し怯える綾人だが、なんとなく産まれ出でたばかりで周囲に慄いているラーゼフォンの意識がそうさせているようにも見える。
■母親も青い血
ラーゼフォンの起動に震える世音神殿。支柱から飛んだ破片は麻弥の頬をかすめ、青い血が滴り落ちる。麻弥の青い血を見た瞬間、綾人の頭の中には「なぜ青いのか?」、「いったいいつから?」、「自分もそうなのか?」という様々な疑問が沸いたと思うのだが、続く第3、第4楽章では「なぜ母親は青い血を流したのか?」という疑問を口にするだけで、自分の血の色を気にする描写は見られない。
まあ、この後綾人は滅亡したと信じていた外界に飛び出すことになるので、驚愕の事実の連続で気にしているヒマもなくなってしまったのかも知れない。
虹の橋。現実への扉。隔てし壁は虚構の星。我ありし世界・・・
ラーゼフォン第3楽章「二人の街」・・・世は音に満ちて。
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■綾人と麻弥の会話
綾人が母親と話すシーン。二人はテレパシーのようなもので会話しているらしい。
ここは麻弥のセリフに注意。「待っていたの。あなたの血があなたの中で目覚める日を。」とか「失ったものも大きかった。」とか、非常に興味深いことを云っているが、とりあえず現時点では何を意味しているのか不明なので、終局への1ピースとして記憶の片隅に留めておこう。
「あなたの中で」とわざわざ限定している点がかなり怪しい。
■量子凝縮とFD位相変換係数
九鬼と三輪ちゃんが口にする単語だが、ここで考察しようにも厄介すぎるので、単語辞書に簡単な説明だけまとめた。詳細は物理の先生とかに聞いてください。要するに、ドーレムがラーゼフォンに同調して周囲に量子の凝縮が起きているらしい。
量子が凝縮されるということは、たぶん重力以上が起きているということで、すなわち絶対障壁にも変調が現れている・・・ということになるのか?
(コチャンさん、ご指摘ありがとうございます)
■麻弥の空中浮遊
ラーの間に割って入ったアレグレットに驚くこともなく、空中を浮遊する麻弥。前述のテレパシーもそうだが、彼女は単純に血が青いだけでなく、他の青い血の人間と異なり超常現象を引き起こす力を与えられているようだ。もしくは最初からこういった力が備わっている存在、元々普通の人間ではない何かということか。
■イシュトリと呼ばれる存在
麻弥がラーゼフォンの肩に乗っている玲香に気付くシーン。ラーの間をモニターしていたはずの九鬼らは観測機器の異常から玲香の存在には気付いていないのだが、実は第1楽章で綾人が世音神殿にたどり着いた際も玲香はモニターに映っていない(意図的にカメラの視点から外されている)。玲香が学校に現れた際のシーンを考えるに、彼女は自身の姿を見せようと思った相手にだけ実像として見えているのではないだろうか?
つまりここで云いたいのは玲香は麻弥に自分の姿に気付くように仕向けたのではないか?ということです。
あと、麻弥は姿(外見)でイシュトリと判断したようだが、MU襲来以前からこの存在を知っているのだろうか?
■奏者の座
ラーゼフォンのコクピットには一応操縦桿らしきものがあるらしいことがオープニングで見て取れるが、劇中では綾人の動きがそのままトレースされている感じで動いている。モニタースクリーンである「幻視の天幕」に腕を突っ込むと、ラーゼフォンの腕に視覚変換されて映り込むところがカッコイイ。
■玲香の最後の言葉
「歌いなさいラーゼフォン、お前の歌を。禁じられた歌を。歌いなさいラーゼフォン、いつか全てがひとつになるために。」・・・MUが、ラーゼフォンが歌うことを恐れているらしいことは、第1楽章の九鬼らの会話から推察できる。したがって、このセリフを逆読みすると、MUは全てがひとつになることを避けるために意図的にラーゼフォンの歌を禁じていた(=かつて次元卵に封印されたと考えるべきか?)と考えることができる。
ラーの間に出口がなかった(出口がないからラーゼフォンは天上をやぶった)ことも、恒久的に卵のまま封印しておくつもりだったと考えれば説明もつくが・・・。んでも麻弥は綾人の血が目覚めるのを待っていたらしいので、この辺はまだ考察が必要。MUは制御不能の神を御す力をもった存在=オリンを待ち望んでいたのか?
あと、玲香が綾人の産み出した虚像だとすると、自分自身とも云えるラーゼフォンに命令口調でしゃべるのは少々おかしい。「歌いましょうラーゼフォン」なら納得もできるのだが。
■フォルテシモまたもや暴走
ラーゼフォンの飛翔を追って、またもやフォルテシモが攻撃をしかけてくる。MUにとってラーゼフォンは必要な存在なのか、それとも忌むべき存在なのかは現時点で不明だが、麻弥が綾人を必要としている限り、万が一にもオリンを消滅させるようなマネはできないはずである。これは以降に出てくる全てのドーレムにも云える。
結局、フォルテシモは東京の一部を壊滅させ、玲香の存在を消し去り、綾人の怒りをかって消滅への道を辿ってしまう。第1楽章でフォルテシモの発進を麻弥が指示した際、九鬼と三輪ちゃんは「マジすか?」という反応をしていたが、案外こういう荒っぽい性格のドーレムを動かすことが心配だったのかも知れない(冗談っすよ)。
■ムーリアンの消滅
フォルテシモの消滅と同時にムーリアンの一体が四散しているが、血肉が一片も残らず消え去ったことから、ここでのムーリアンはホログラムでどこかに実体があるように思えてしまう。んが、今後画面に出現するムーリアンのほとんどが、ガラスや鏡に映った状態で現れることが多いことから、彼らはホログラムではなく、このような状態でしか出現できない人種である可能性が高い。
■TOKYO JUPITERからの脱出
三輪ちゃんの言葉を追っていくとこんな感じ。
「量子凝縮、計測限界値まで増大、レベル12+。(アリアを共鳴していると九鬼のツッコミ)」
「量子凝縮はダイポール型に収束中。」
「境界と融合していきます。」
「回廊が形成されました。」
「(ラーゼフォンが消えて)ゼフォン、障壁を跳躍しました。」
・・・もうなんつーか、それっぽい単語がこれでもかと連発される。これに加えて前述のFD位相変換係数とか、遙のいうところの時間ポテンシャルの壁とか、意味不明だっちゅーねん。
ラーゼフォンがオリンとそろって外界に出てしまうのは、九鬼にとって最悪のシナリオだったらしい。もっとも、何故ラーゼフォンが外に向かったのかは謎。世界の真実を知ろうとする綾人の深層意識がそうさせたのかも知れない。
■二人の街
第3楽章のサブタイトル。TOKYO
JUPITERを脱出した綾人と遙が不時着した街は、住民が立ち去った無人の廃墟。2人はこの無人の街で一昼夜を過ごすことになる。
世界の人口が60億と聞いたはずの綾人だが、外界に出て初めて降り立った街に人が全くいないようでは、「やっぱり世界は滅亡してるんじゃないか?」と思える状況だったはず。本エピソードにおける2人の会話も、「今はただ陸の孤島にいるだけ」と考えている遙と、「滅亡した世界に自分たち2人だけが放り出されたのではないか」と混乱している綾人の間で行われているので注意。「2人きり」というシチュエーションも双方にとって全く意味合いが違っているので、その辺を察して見てみるとかなり深いエピソードであることがわかる。
英題は「Welcome to our
town」で、わずかな時間ながらも廃墟で2人だけの時間を共有する遙の心情をうたったタイトルになっている。「2人」が「our」と訳されているのが個人的にイイ感じ。
この街が「陸の孤島」状態になっているのは、2人が降り立った街が三浦半島の先端(三浦市三崎港)であり、TOKYO
JUPITERにより他の地域から隔離されたために住民が避難した状況になっているからである。一応。
■外界の時間
ラーゼフォンが外界に出た時間は、TOKYO
JUPITERでは7月7日の深夜2時過ぎ頃=オーバーロード作戦開始から66時間後になるが、これを約6倍のスピードで時間が流れる外界にあてはめると、16日と12時間、つまり12月10日16時ごろになる。つまり砂浜で倒れている綾人は夜に脱出して夕方まで倒れていたのではなく、TOKYO
JUPITERから脱出した直後の状態で気を失っていただけということに・・・なるのだが、第4楽章の腕時計の時間を見ると、結構いい加減な時間の計算をしているようなので、この辺は気にしなくてよし。
■ダメ出しお姉さん
綾人の着替えのシーン。遙がダメ出しを出さなかったらどうしようかと真剣に悩みました。なんつー服装のセンス。
一方、遙はイヤリングまで交換する念の入りよう。通信機がなくてもイヤリングの発信をオンにしておけば、リーリャ・リトヴァクが拾ってくれると思うのだが・・・。
■好き好きカレーの謎
綾人が取り上げるレトルト食品「好き好きカレー」。よく見ると製造年月日が2015年8月16日、賞味期限が2013年8月16日で、順番が逆になっている。製造会社は「bones」。雪印も真っ青の品質表示である。
ちなみに、DVDで見直すとこの部分は修正されているようである。
■オリンピック
ラジオの内容を聞く限り、2028年のオリンピック開催地はカブール。なんとスケートボードのジャンプが正式競技となっている。また前回2024年の開催地はピョンヤンだったらしい。
MUによる侵攻がTOKYO
JUPITER形成後に膠着状態に入ったという設定だったが、意外と地球全体から見ると厄災として見られていないことがわかる。確かに異次元から変なヒトたちが攻めてきたとしても、世の中が転覆するほどではないでしょうね。
■遙の時間の感覚
綾人に日付を聞かれた遙が「えーっと、今日は11月10日のはずよねー」と云っている。これはかなり見当違い。
時差ボケしてるのはお前の方だろとツッコミ入れたくなります。
■愛のように甘く、悪魔のように黒い
これは何かの引用?
流してもらってかまいませんが、愛は決して甘くなく、悪魔はホントは白いんだよというのが、桜牧師の持論。いや、白いワニとかピンクの象とかそういう話もあるし(←ネタ古すぎ?)。
この言葉はタレーラン・ベリゴール(1754〜1838)というフランス外相が残した最も有名なコーヒー賛美の言葉だそうです。全文は「悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように潔く、恋のように甘い。」
(コチャンさん、JINさん、gorochiさん、いろいろと情報ありがとうございました)
■TOKYO JUPITERの全景
房総半島の方でそこそこ街明かりが見えているところを見ると、意外と日本はこの半球を受け入れてしまっているようにも感じられる。第4楽章では、オーバーロード作戦が開始される直前にここを核で破壊するという案があったことが判明するが、普通そんな状態であれば国外に逃亡したりとかするもんだろうに。
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■三浦半島の閉鎖時期
綾人が歩く街並みのアチコチで「2月13日をもって閉店します」という張り紙が見られる。前述の「好き好きカレー」の製造年月日を2013年8月16日と考えると、三浦市にある店は翌年2014年の2月13日まで営業していたことになる。
あれだけ間近にTOKYO
JUPITERの絶対障壁があるのに、2012年の襲来から1年以上も人々が生活していたとはとても思えないことから、TOKYO
JUPITERが形成されたのはMUの襲来からしばらくの期間が開いた後だと推察できる。・・・というか、好き好きカレーの製造年月日がいい加減なだけで、2013年2月13日に閉鎖したと素直に受け取ればいいか。
■「首都消失」と「さよならジュピター」
「首都消失」と「さよならジュピター」の映画ポスターが貼られているカットが見られるが、「首都消失」は1987年に、「さよならジュピター」は1984年に公開されている映画である。TOKYO
JUPITERの形成を受けて周辺市町村でリバイバルで上映したとも考えられるが、被災地でもある三浦半島でこんなフィルムを持ち込むのはあまりにも非常識、これはスタッフのお遊びで入れられたのではないだろうか?
これはスタッフがTOKYO
JUPITERの元ネタをばらしたお遊びらしいです。エンディングにイオ(小松左京事務所)や大映、東宝がクレジットされていて許諾済みとわかる。
(コチャンさん、情報ありがとうございました)
■青電話
工事現場に設置されている青電話。色はもちろんのこと、ボックスに入っていなかったり、袋小路の真ん中にあったり、電気は届いていないはずだったりでかなり怪しい。もちろんこんな電話は現実世界においてもまずない。麻弥がなんらかの形で綾人にコンタクトをとろうとした可能性もあるが、これは玲香と同じく綾人の深層意識が生みだした虚像なのかも知れない(もちろん玲香が虚像だという確証もないが)。
青い色はもちろん「青い血」と同じくMUを象徴する色。
■TOKYO JUPITERは銀杏型?
絶対障壁を見つめる綾人に向かって、遙が下半分も同様に半球状と予想されることを告げるが、半径約48kmの球体がそのまま埋まっているとすると、地下も48kmまでTOKYO
JUPITERが食い込んでいることになる。これはちょっと深すぎる。地殻(大陸部で厚さ35km)を突き破ってヘタしたら大陸プレートまで食い込む勢いである。
公式設定でもTOKYO
JUPITERはドーム型というだけで完全な半球とは云っていないので、地下部分を合わせた全体の形はややつぶれた銀杏のような形状と予想できる。
■自転車二人乗り
二人乗りをしているシーンの遙の表情に注意。彼女は綾人に対して少なからず思うところがある様子である。
考察と全然関係ないけど一言。私桜牧師は男子校出身で、高校生の頃男女で自転車二人乗りという経験をしたことがない。したがって、このシチュエーションはかなり憧れ。会社の同期の女の子で女子校出身の子がいるんですが、その子も同じこと云ってました。もちろん今現在二人乗りすることはできますが、「高校生のときに」というファクターが最も重要だと思うんすよね。
そういう訳で世の高校生の皆さん、今やりたいことは今やってしまいましょう。
■猫のブチ
綾人が「どこかにいるんだよ家族が・・・」と云っているが、おそらくその通り。2014年に島が閉鎖されたとしたら、実に13年間もヒトと接することなく生きていたことになるが、ブチの様子を見る限りそこまで老いたネコには見えない。したがって、この島で出会ったネコのカップルから生まれた2世代目または3世代目のネコと考えられる。
しかし、残された家族が親ネコならまだいいが、生まれたばかりの子ネコがいたとしたらかなりヤバイ。遙ももう少し綾人の話を聞くべき。「連れてくってどこへ?」と聞いた綾人の質問に答えなかったことも、第4〜第5楽章での確執につながってしまう。
■ボートを焼く狼煙
上空で哨戒中だったジェット機のジェット音を察知して、遙はボートを焼いて居場所を伝えているのだが、オーバーロード作戦を展開していたTERRAが絶対障壁を越えてきた遙の動向を見失うというのもちょっとおかしい。
が、遙が綾人を連れ出す際にVTOLを使用していたことを考えれば、ラーゼフォンによる脱出は極めて予定外の出来事だったはず。回廊の形成は、周辺の時空間にも多大な影響を与えていたと考えられるので、TERRAの観測機器を狂わせる効果も引き起こしたのかも知れない。
予備の通信機を持ってこない遙も悪いと思ったが、VTOLに積んであった通信機をラーの間で沈めてしまったと考えられるので、この辺も仕方ないですね。
(コチャンさん、情報ありがとうございました)
ささやかな嘘。海より出し者。二つの結果。震えるは少年の音色なり・・・
ラーゼフォン第4楽章「自分の時計」・・・世は音に満ちて。
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■オープニングより
第3楽章までのアウトラインを遙のナレーションで解説しているが、ここで初めてMUが異次元からの侵略者であることが語られる。さすがに説明不足であることをスタッフが気にしたんでしょうか?
■ニライカナイの形状
九州沖にある根来(ニライ)島に海上実験都市神至(カナイ)市がくっついたニライカナイ。中央に見えるピラミッド型の建物がネリヤ神殿と呼ばれる遺跡である。
全体的に三日月型の島だが、TOKYO JUPITER内の東京地図の形状に似ていると思うのは私だけ?
組織の相関図はもちろんのこと、形状についてもなんとなく対の存在という気がしなくもない。
■リーリャ・リトヴァクは新造
一色がリーリャ・リトヴァクを見て「なかなか良く出来ている」ともらしていることから、リーリャ・リトヴァクは新造戦艦ということがわかる。2隻の空母を合わせて中央にTDDUシステムのための電磁カタパルトを設置した特務空母という設定なので、今回のオーバーロード作戦が処女航海(と云えばいいの?)ということになる。
■輸送されるラーゼフォン
輸送されるラーゼフォンの翼が開いている。綾人が同調している時以外は閉じているものだと思っていただけに、この表現はかなり残念。第4楽章のラストでネリヤ神殿に入った際もこの翼は開いたままなのだが、やっぱ未使用時は閉じてて欲しいなー。
■如月久遠の乗船
作戦展開中のリーリャ・リトヴァクになぜ如月久遠が同行していたのか?これがかなり疑問。第4〜第5楽章を通して、彼女はかなり綾人に近い存在であることが描かれるが、まさかラーゼフォンと同調するパイロットのスペアではないだろうし、ドーレムを感知するためのレーダーというのもちょっと都合が良すぎる。何よりもそういう動機で彼女を戦艦に乗せることができるとは思えない。
おそらく兄の樹が「オリンに会ってくるといい。」とか云ってオーバーロード作戦に同行させたんでしょうね(それを許す功刀にもいろいろ考える部分があったのでしょうが)。
■綾人の血液検査
綾人の血が赤いことを見て安心する遙。母親である麻弥の血が青いことを見ている(もしくは知っている)彼女は、この時点まで綾人の血の色が青い可能性を否めなかったようであるが、ここで見た事実が後の「彼も私たちと同じ赤い血の人間なんです!」という叫びにつながる。数多くの登場人物の中で最も「神名綾人」という人間を理解しようとし、人間として付き合おうとしているのが遙であることが、この辺から読みとれますよね。
一方、綾人は母親の血の色が青かったのに、自分の血の色については全く興味がない様子。まあ、滅亡した世界と云ってもいいくらい廃墟だった三浦半島から、いきなり人だらけのしかも軍艦に乗せられたのだから、多少気が動転していても仕方がない。
■ワシントン条約
綾人がしつこく云っているが、国内での動物の移送はワシントン条約には引っかからない。詳細は単語辞書の項で。
■自分の時計
第4楽章のサブタイトル。功刀が綾人に「自分の時計の時間」を戻すように云っていることを受けてのタイトルだが、このテーマは第5楽章のラストで完結する。「自分の時計」を素直に腕時計と勘違いする辺りが綾人らしい。
英題の「Watch the year hand」の和訳がわからんです。誰か教えてください。
情報いただきました。時計の短針を「minute hand」、長針を「hour
hand」と呼ぶのにひっかけて「year hand」となっているそうです。なので「時計の針を見よ」とか「year
handをもつ時計」みたいな感じに訳すことになりますか。
(コチャンさん、情報ありがとうございました)
■八雲の電話相手
ラーゼフォンを見た八雲が如月樹に電話して「見応えがありますよ。」と云っている。これが第4楽章の最後「なるほど確かに見応えがあるな。」につながる。八雲が「イツキさん」と云っているのが「イッシキさん」に聞こえてしまいがちなので、混乱しないように注意。
■地球連合におけるラーゼフォンの定義
ムーリアン・アーティフィクト・クラス5Aというのが、地球連合におけるラーゼフォンのコード。クラスについては意味不明だが、アーティフィクト(Artifact=人工物、加工品)からラーゼフォンはMUの作成した物体として定義されていることがわかる。
でもそれではオーパーツと呼ぶのはおかしいのではないだろうか?オーパーツとは、考古学上その時代その場所において出土するはずのない物体の意味である。MUが作ったとわかっているのなら考古学上の問題はクリアーしている訳だし。
■琉球
ユリシーズの艦長の言葉から、琉球にムーリアンテクノロジー基礎研究所があるらしいことがわかる。おそらく現在の沖縄にある米軍基地を主体とした地球連合傘下の研究機関であろう。
もちろん現在も沖縄を琉球と呼ぶ場合があるが、2027年には沖縄ではなく琉球という地名を用いるのが一般的となっているのかも知れない。
■ラーゼフォンを巡る争い
ラーゼフォンが地球連合の管轄下に入ることについて、やけにユリシーズの艦長が高圧的な態度をとっているが、この辺の地球連合とTERRAの確執といった裏事情はアニメ雑誌で設定を読まないと非常に理解しづらい。詳細は単語の解説の方にまとめたので参照にしてください。
地球連合は綾人を「オーパーツに乗り込んでいたTOKYO
JUPITERの人間標本」としてしか見ていないが、この時点でTERRAは綾人だけがラーゼフォンに同調できる唯一の存在であることを隠蔽している。これは、綾人の重要性がばれて地球連合に拉致されることを防ぐためで、実は功刀が綾人を対ムーリアン仕様の監禁室に入れたのも、ラーゼフォンが起動してユリシーズを壊した時に、「その時点ではTERRAも同調の事実を掴んだいなかった。」と言い張るためである。
第3楽章次回予告での「ささやかな嘘。」、綾人の血がMU_PHASEと確認された時の功刀のセリフ「今はそのように対処しよう。」、グラーベを倒した後の八雲のセリフ「監禁は得策じゃありませんね。」から読みとることが可能。
■遙の腕時計
遙が綾人に腕時計を見せるシーン。外界が2027年12月3日13時05分、TOKYO
JUPITERが2015年7月6日20時19分になっているが、これはちょっとおかしい。外界へ脱出するまでの時間経過を追うと、
7月4日(土曜)8時にオーバーロード作戦によりTERRAが侵入、綾人によるラーゼフォンの起動もこの日。
7月5日(日曜)にラーゼフォンから回収された綾人が自宅に帰る。
7月6日(月曜)に学校に行き、鳥飼、朝比奈、玲香と会話。自宅に帰って遙からの手紙→深夜2時に待ち合わせ
したがって、綾人が外界に出た時間は7月7日2時頃のはず。うーむ。
ついでに、第1楽章で見られた腕時計の映像と比較すると、TOKYO JUPITERの形成日がわかる。
第1楽章の時間との差から、外界では212時間38分流れている間にTOKYO
JUPITERでは60時間23分が流れていることになるから、時間の流れ方が一定とした場合のX-Dayは逆算して2010年8月4日3時34分。
でもMUの襲来は2012年の設定だから、TOKYO
JUPITER内の時間の流れ方は一様にゆっくりとしている訳ではなく、微妙に変化しているということがわかる。
くっそー流石にこういうところまでは気をつかってないのな。
第3楽章で既に12年という時間差を聞いているはずなのに、時差と勘違いしているのが綾人らしい。
■オーバーロード作戦の全容
エルフィがオーバーロード作戦の全容を遙が知っていたか否かについて詰め寄っているが、遙も全容を知っているかどうかちょっと怪しい。
「TDDUシステム装備の晨星を用いて東京を侵攻する。目標はMU要塞のヒラニプラ。」というのがエルフィ(と地球連合)の知っている部分。「晨星の部隊は囮で、その隙をついてオーパーツに同調可能なオリンと呼ばれる存在の確保、脱出。」というのが遙の知るオーバーロード作戦の全容。その先の「オーパーツの奪取とその軍事利用を行うためにオリンが必要。」という目的があったことを、遙は知らない。というのも、第1〜2楽章において遙は常に綾人のラーゼフォン搭乗を阻止しようと奮闘しているからだ。
しかし、この後の展開を見る限り、彼女もラーゼフォンの運用するには綾人がTERRA組織内に留まらなければならないということを理解して行動しているようにも見えるので、この辺はちょっと断言できない。
ちなみに地球連合のお偉いさん方は、一応「TERRAがオーパーツの入手とその軍事利用を目的としている」ことを掴んでいたのだが、オリンと呼ばれるキーが必要であることは知らなかったことが読み取れる。
ラーゼフォンを研究対象としか見ていないとしても、起動できる人間が世界に一人しかいないと知れば、当然綾人も研究対象として連れて行くはず。
オーバーロード作戦の真意について話したいエルフィに対し、遙は呑み会の話で誤魔化そうとしているのだが、これは彼女が諜報部に属していることを考えれば当然の反応(エルフィもそれを知っている上で敢えて聞いているのだが)。TERRAの組織の中でも機密の保持と漏洩防止に厳しい部署であるはずなので、例え相手がエルフィであっても作戦の重要機密である神名綾人の名を口にする訳にはいかないのだ。とくにこの時点では神名綾人の重要性を地球連合に知られることは避けなければならないので、エルフィがそれを口にしたとしてもシラを切らなければならなかったはず(この時点でエルフィは地球連合傘下の部隊)。
エルフィと遙が呑み仲間であることを知らないと、ここでの会話もちょっと理解しづらくなるので注意。
■時計の針
リーリャ・リトヴァクの艦内を歩いている綾人が腕時計に目をやるのだが、この時の時計の時間は13時16分。遙の時計の時間を参考に、一応時間を合わせていたことがわかる。
■美容院の看板
リーリャ・リトヴァク内の美容院の前で出会う如月久遠と綾人。看板の意味は久遠が語っているとおり。ここでは赤い血管と青い血管を引き合いに出すことにより、TOKYO
JUPITER内の青い血の人間も元は赤い血をもつ人間と同一の存在であることを、暗に仄めかしているのだろう。
綾人がオリンであることを知っている事実、詩的な発言による暗示など、久遠の存在はラーゼフォンの世界観の根幹に関わってくるようなので、いろいろ意味不明でもがんばってついてきましょう。
・・・「着ているもの、全部とったらここでは叱られるよね。」って、他では叱られないんかい?(あ、喜ぶだけか。)
しっかし、綾人は「絵」、玲香は「歌」、久遠は「詩」、である。この後に「舞」を担うキャラクターでも出てくるのか?
■功刀の高圧的な態度
「人形の管理及び所有権は連合のもの。そうでしたね。(と云って一色を見る)」と理不尽ともいえる言動で綾人を押さえつける功刀だが、これも地球連合からの監察官である一色に対してラーゼフォンに唯一同調可能なオリンの存在を隠蔽するための行動。
したがって、遙の「あなたには説明しておくべきだったかもね。」というセリフも、「現状ではそういう態度をとっておかなければならないの。」という意味の説明と受け取ることができる。
もっとも、一色はオリンの存在を知っていながらそれをユリシーズの艦長に報告していなかったようであるし、遙もまたこの後綾人が監禁室に入れられることを知らなかったようなので、その辺もひっくるめて綾人(と視聴者)は混乱してしまう。
ただ、綾人を対ムーリアン仕様の監禁室に入れたことには、もう一つ意味があったようにも思える。後述で。
■ちょっと一纏め
オリンという存在について、誰がどこまで正確な知識をもっているかを把握できればかなり考察も楽になるのだが、例えば遙は「綾人がオリンと呼ばれている者」であることを知っているが、「オリンとは何なのか」は知らない。また「ラーゼフォンに同調できる人間」であることを知っているが、「同調できることの意味、同調した場合の結果」については知らないようだ。
功刀や一色、樹のもつオリンの情報もバラバラのようなので、この辺の「裏」を常に考察しながら見ると面白い。このホームページの基本理念のページで述べているが、本作品は視聴者が劇中のキャラクター=とくに綾人と同時進行で本編中の舞台とそこにある要素を理解していかなければならない。功刀の「自分が置かれている状況をもう少し理解する必要がある。」と云うセリフについても、自分のことと思って謎に挑みましょう。
−今回の久遠語録−
淵より出し夢、少年の顔を照らす。碧眼なり。その音色・・・(輸送されるラーゼフォンを見送りながら)
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■TOKYO JUPITER核攻撃案
綾人が見せられた新聞(朝目新聞)で「東京ジュピター核攻撃案」が1面になっているのだが、この新聞の日付は2027年11月(何日かは画面に映らない)。劇中の時間軸(現在11月)ではつい先日出された提案であることがわかる。
もっとも時間ポテンシャルの壁である絶対障壁が核による攻撃でダメージを受けるとはとても思えないし、何よりもそんなことをしても無意味であることをTERRAは理解しているはずなので、この案は地球連合に加盟している一部の国家が提案したものだと予想できる。
もしくはオーバーロード作戦に尾鰭が付いただけなのかも。
■綾人の遺伝子解析
綾人の血液を用いて遺伝子解析を行うと、「MU_PHASE」つまりムーリアンと同質の遺伝子をもつことが判明する。
指標生体分子との比較ということなので、TERRAは既にムーリアンの体組織なり血液なりの遺伝子情報を採取しているということですね。これが地球連合の云うところの「TOKYO
JUPITERの人間標本」のことなのかは判断できませんが。
指標生体分子のコードが「W_01」で、こっちはよくわからん。綾人のコードが「OR_16
TYPE_A」なんだけど、「OR」がオリンを指すとすると、16番目のオリンということか?しかも「Aタイプ」?血液型のことか?うーむ、わからん。
八雲と功刀は判断に迷っているようだが、おそらく如月博士はもう少しくわしいことを知っているはず(第5楽章から)。
あと、この際のモニターをよく見ると、綾人の血液サンプルのナンバーは「SA_74656」、指標生体分子として登録されている血液サンプルのナンバーは「SA_00001」であることがわかる。このナンバーが人間標本としてのナンバリングだとすると、綾人は74656番目の標本、指標生体分子の方は最初の標本ということになる。
■対ムーリアン仕様の監禁室
「司令官の音声認識でなければ解除できない」というのは、対地球人でも用いられる仕様と考えられるので、「無理に開けようとすると中のモノは爆発する」という部分が対ムーリアン仕様を指すと思われる。要するにTERRAまたは外界の人間から見て、ムーリアンは捕虜としての扱いを受ける対象ではなく、実験動物的な扱いを受ける対象であることがわかる(抵抗したら即廃棄サンプル)。
もっともスパイ映画などでこういった仕様の監禁室は見られるので、対ムーリアン仕様と呼べる機能は他にもあるのかも知れない。後述。
■綾人の落書き
綾人の机の上の落書きは美嶋玲香を描いたもの。第1楽章で描きあげた絵は「イメージとしてもっている少女像」と思われるが、今回の絵は間違いなく美嶋玲香その人を、とくに第1楽章で出会った際の情景を描いていると思われる。彼女を失ってしまった綾人にとっては、この方法以外に玲香の姿を残し留める術はないのだから、功刀も許してやって欲しい。
「どういう環境で育ったら・・・」って、少なくともTOKYO
JUPITERに住んでいたこと、一応母子家庭であること、高校生であること、東京以外の世界は滅んだと教えられていたこと、絵を描くのが好きなこと、このくらいは諜報員から聞いているはずなんだから、大目に見てやれよと云いたい。
■久遠はドーレムを察知できる
下の久遠語録にセリフを書いたが、如月久遠はどのようなレーダーよりも先にドーレムの接近を感知している。また、モニターなどの外の状況を知るための画像、音声がなくとも、ラーゼフォンとオリンの活動を察知している描写がよくみられる。
第4〜5楽章を見る限り、彼女と綾人はかなり近い存在のように思われるが、こういった能力は今のところ綾人には発現していない。
■功刀の指示
ニライカナイ(またはリーリャ・リトヴァク)に一直線に向かってくるグラーベに対して、功刀が「目標の侵攻(or進行)を全力で阻止せよ。」と指示を出す。このセリフからは、
1.TERRAの現在の戦力(ラーゼフォンなし)ではドーレムの撃破は困難である(撃破せよと指示していない)、進路だけでも変えろ
2.ニライカナイには全力で守らなければならないほどの何かがある
3.全力で神名綾人を守ろうとしている
といった三択の意味合いがなんとなく見えてくる。できれば3であって欲しいですね。
■グラーベの水の刃
エイドロンを切り裂く水の刃は高圧縮された海水と思われる。高圧縮された水による物体の切断は現在の科学力でも可能で、既に工業製品の加工や医療機器に使用されている。マジで鋼鉄もスパッと切り裂くらしい。
一色が「我々の範疇を越えている。」と話すことから、地球連合もほとんどドーレムと交戦したことがないこと、したがって、設定通りMUはTOKYO
JUPITER形成後にドーレムを外界に出していなかったということが読み取れる。
つまり第4楽章以降に出現するドーレムの破壊活動は、ラーゼフォンとオリンの外界脱出が原因となっていると考えることができる。ニライカナイへの侵攻はともかくとしても、他の地域への破壊活動については、綾人がその責任の一端を負わなければならないということか。
功刀がドーレムについてくわしいのは、MUの第1次侵攻の際に戦闘に参加していたかららしい。
■エルフィのほっぺにも傷
エイドロンが射出するシーンでエルフィの頬にも傷があることから、遙がしっかりお返ししていたことがわかる。
■グラーベの水変化
グラーベがニライカナイに侵入すると読んだリーリャ・リトヴァクのクルーが入港ゲートを封鎖するのだが、グラーベは海中で光ったと思った途端にソナーから消え、リーリャ・リトヴァクの真下に突如として現れる。
これはおそらく体組織を海水に変え、水と一体化して移動・物質化を行っているためと考えられる。
そう考えると、前述の水の刃も海水に変化したグラーベの体そのものと考えることができる。そんな訳で、このホムペの素材解析のページでは、「水」を司るドーレムではないかと邪推している。公式ホムペの予告で紹介されているドーレムにも、それぞれ司っているモノがあるように思えますが、さて。
■久遠を狙ってしまうグラーベ
リーリャ・リトヴァクに取り付き艦内に触手を伸ばすグラーベだが、なぜか(おそらく)目標である綾人ではなく、如月久遠に反応してしまう。久遠が綾人に似た存在であることは、この後の「綾人とともに美島玲香を見るシーン」、「ラーゼフォンの起動に際し目が赤く光るシーン」、第5楽章での体に記された古代文字のような印などから読みとれるのだが、このときグラーベが彼女に手を出さなかったのもオリンであるかどうか迷ったためと考えられる。
そして、「このときなぜグラーベが綾人を見つけられなかったのか」は、「対ムーリアン仕様の監禁室がオリンとしての波動か何かをシャットダウンしていたから」と考えるとつじつまが合う。
つまり、対ムーリアン仕様とはまさにこういった機能のことを指しているのではないか?、綾人を監禁室に入れたのもラーゼフォンが拘束されている間ドーレムから守るためだったのではないか?と邪推できるのだ。
であれば、功刀と八雲の策士振りにはホントに驚かされてしまいますね。
■綾人の叫び
「何が正しい時間だ!」という叫びを受けて、部屋のディスプレイの時計が一斉に狂い始める。この辺からも「綾人がこの世界の原動力」と考えることができる。もしくは玲香の強制力によるものか?
遙を呼んだのに助けに来なかったこと、自分が監禁されていたとに気付いたことが第5楽章での確執につながる。
ラーゼフォンの起動と共に久遠の目も光るシーン・・・かっこいいっすね。
綾人の叫びを受けてのラーゼフォンの起動だが、対ムーリアン仕様の監禁室では、綾人の「オリンとしての」波動のようなものもカットされるとおもうのだが・・・実際にラーゼフォンが起動したところを見ると、綾人=オリンの波動のようなものはムーリアンのもつ波動とは異なっているものと考えられる。もしくはこれも玲香の強制力によるものか。
■ラーゼフォンの起動
ラーゼフォンが右手を甲板上にかざすと、綾人の目の前に再び玲香が現れる。このときの情景は綾人の落書きのためか第1楽章の情景とほぼ同じであるが、逆に第1楽章での出会いも今回のような幻だったのではないかと受け取ることもできる。しかしラーゼフォンは右手を出したのに玲香は左手を出す。何か深い意味が?
なぜ久遠にも見えるのか?この辺も覚えておきたいピース。
■グラーベとの交戦
海中に引き込むことができればグラーベにも勝算があったかも知れないのだが、ラーゼフォンに空中に持ち上げられたため触手でむなしく抵抗。もっともグラーベの目標が綾人であれば触手でからめ取って帰るつもりだったのかも知れん。
ラーゼフォンがグラーベを引き裂く際に腕の付け根にある黄色い部分が発光しているのがみてとれる。「仮面ライダーBLACK」のパワー収束細胞のようなものなのかも知れない。
■ユリシーズの艦長
艦長以下ユリシーズのクルーが傷だらけなことから、ラーゼフォンが飛び立つ際にかなり無茶をしたらしいことがわかる。案外晨星の部隊のように発砲くらいしてボコられたのかも知れない。
八雲の「監禁は得策じゃありませんね。(クスッ)」というセリフについては前述。
■ネリヤ神殿に入るラーゼフォン
ネリヤ神殿の頂上部、ピラミッド内部において下から上へ水が上がっている水柱に入り、休息状態に入るラーゼフォン。なぜこの遺跡に何の躊躇もなく入ったのかは、如月博士のセリフ「お帰り、オリン。」から想像するしかない。綾人またはラーゼフォンが元々存在していた場所が、このネリヤ神殿なのだろうか?
■次回予告
今回の予告(第5楽章の予告)から、ナレーションが如月久遠になっている。前回までは美嶋玲香。
−今回の久遠語録−
この分類自体に含まれるモノ、今しがた壷を壊したモノ・・・(リーリャ・リトヴァクに迫るグラーベを感知して)
彼方から、宴のようにみえる音、再び・・・(海中に没したグラーベを感知して)
閉ざされた心。新しき家。触れる思いは安らぎの音色を奏でる・・・
ラーゼフォン第5楽章「ニライカナイ」・・・世は音に満ちて。
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