自民党新総裁に選出された麻生太郎氏に対し、米国は強い指導力を期待する一方、近く解散・総選挙に踏み切るとの観測が伝わっているため、今後の政局の行方を注視している。一方、中国国営新華社通信は「保守のタカ派」と指摘、韓国でも対日関係悪化を憂慮する声が上がる。
米政権の対日政策に詳しいマイケル・グリーン前国家安全保障会議アジア上級部長は、自衛隊によるインド洋での給油活動が再び中断した場合、米政府内の不満は一層強まると指摘。次期米大統領候補の民主党オバマ、共和党マケイン両上院議員とも対日重視の姿勢を示すが、今後の日米関係は楽観できないと警鐘を鳴らす。
新華社は麻生総裁選出を速報するとともに、改善傾向にある日中関係に悪影響を与えるのではないかとの懸念を示した。
中国の日本研究者は、麻生氏が外相時代に東欧やアジアの新興国に経済支援し民主化の定着を図る「自由と繁栄の弧」構想を提唱したとして「中国をけん制する考えがあるのは明らかだ」と指摘。一方で「日中首脳会談の再開にも尽力した」と一定の評価もした。