社会
暴力団脱退者の就労支援ピンチ 景気低迷の壁
暴力団から脱退を望む組員に仕事をあっせんする暴力追放運動推進(暴追)センターなどの社会復帰支援事業で、昨年一年間に全国で就労に成功したのは、十四人だったことが分かった。年々減少しており、制度の運用が始まった一九九四年の約6%まで落ち込んだ。景気への不透明感が増す中、今後も引受先の事業所が減少することが予想され、全国暴追センター(東京)は「支援事業への理解と協力を呼び掛けるとともに、事業所の不安を除く取り組みにも努めたい」としている。
同センターによると、組員の脱退は年間五百-七百人で推移。民間の事業所などに就労した元組員は九四年の年間二百四十六人から激減、二〇〇六年には二十人を割った。同センターは「この十年ほどの間、企業はリストラを進めており、手に職がない組員の引受先が見つかりにくい」と指摘する。
脱退しようとした組員に対する組織の圧力も目立つ。昨年一年間、脱退を妨害した暴力団組員への中止命令は全国で約二百七十件に上った。警察庁によると、全国の暴力団員の年齢構成は昨年、五十歳以上が37%を占め、十年前からほぼ倍になったのに対し、三十歳未満は半減の10%と高齢化が進む。脱退妨害の背景には、若い組員を集め勢力の維持、拡大を図ろうとする暴力団側の思惑もあるという。
兵庫県警幹部は「暴力団組織の弱体化、壊滅のため、組員の脱退を促進する就労支援は有効。今後は、雇用主に迷惑がかかる場合を考えた保証制度の新設など見直しも必要だ」と話す。
暴力団組員の社会復帰支援 1993年施行の改正暴力団対策法で、警察や暴追センターなど関係機関に暴力団脱退希望者に就業を促すなど必要な措置を講じることが定められた。各都道府県で暴力追放運動推進センターが事務局となって就労の受け皿となる組織(社会復帰支援協議会)をつくり、警察の社会復帰アドバイザーらが就労先をあっせんする。
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