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高齢者、家庭内事故に注意を 多発する転倒・やけど…「焦り」は禁物 (2/2ページ)

2008.9.22 07:39
調理中の事故を想定した実験でトレーナーの袖口へ火を付けると、腕から体幹の前と後ろ側に燃え広がった(東京消防庁提供)調理中の事故を想定した実験でトレーナーの袖口へ火を付けると、腕から体幹の前と後ろ側に燃え広がった(東京消防庁提供)

 着衣着火事故は18人だけだが、うち3割は調理中で「ガスコンロに近づき胸の付近や袖口から火が入る」と黒田司令補。調理の際は防炎素材のかっぽう着を着たい。

 家庭内でなぜ、けがをするのか。足腰の筋力や、とっさの危険を避ける運動・感覚能力の衰えだけではない。東京都老人総合研究所の高橋龍太郎研究部長は「立ち上がり時、食後、排泄(はいせつ)時、入浴時の4動作は、自律神経の活動変化に伴い、心拍・脈拍が急激に変化しやすい。食欲不振や発熱などの体調不良が絡むと、失神や目まいが起き、転倒事故を誘発する」という。

 自律神経は自分の意思では制御できないが「環境に影響される神経なので、日常生活で人間関係や趣味などに関心を持ち続ければ、4動作での急激な体内変化は小さくなり、体調管理と事故予防につながる」。

 高齢の女性に多いのが「加齢で体の動きが鈍くなったことになじめない中で、失敗しないよううまくやらなければと、気持ちばかりが焦ってしまうこと」(高橋部長)だ。身体機能に問題がない人でも、別のことに気を取られたまま動けば事故を起こしやすいので、焦りは禁物だ。

 東京消防庁扱いの事故は10〜3月、特に12、1月の発生が多い。「気温が下がると筋力が落ち、同じ行動でも力が入りにくく転びやすい。さらに厚着だと危険回避行動もしにくい。こたつなど局所暖房より部屋全体の暖房の方が体の動きが滑らかになり、事故予防になる」と高橋部長。

 また住宅の本格バリアフリー化が無理でも「部屋と家具の色調を変えるだけでも効果的。視覚が落ちていても、色の濃淡や明暗で見分けが付くから」という。

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調理中の事故を想定した実験でトレーナーの袖口へ火を付けると、腕から体幹の前と後ろ側に燃え広がった(東京消防庁提供)
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