但馬全体の医療のあり方を協議する「但馬の医療確保対策協議会」(会長・中貝宗治豊岡市長)の第四回会合が二十一日、兵庫県豊岡市戸牧の公立豊岡病院で開かれ、昨年秋に実施した医療体制の再編について検証した。救急医療体制など再編を評価する病院がある一方、中小の病院関係者からは「医師数が減り、厳しい」などと医師の確保を求める声が上がった。
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再編後の現状について意見を交わす出席者=21日、豊岡市戸牧の公立豊岡病院
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協議会は医師不足が深刻化する但馬の医療のあり方を模索するため、三市二町や県、医療関係者などで構成。豊岡・八鹿両病院が急性期医療を担うことなどを定めた報告書を昨年二月にまとめ、県養成医師の集約化や中小病院の規模縮小などに踏み切った。
会合では再編後の状況や成果が報告され、時間外や救急車の受け入れ件数が大規模病院に集中していることなどを説明。朝来梁瀬医療センターは医師二人での運営に追い込まれるなど、中小病院の厳しい状況も明らかになった。
再編後の状況について県や豊岡病院の関係者は「救急医療体制の維持ができた」と一定の評価。一方、「三人の医師で五十床をみている。困難な状況であり、診療所化という危機感を覚えている」(香住病院)、「慢性期を担う病院なので、当直も多い。新たな医師にきてもらえる魅力が少ない」(浜坂病院)と苦境を訴えた。
また、県は三次救急体制を確保するため、兵庫・鳥取・京都の一府二県で、ドクターヘリの運用に向けて検討していることなども明らかにした。