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教科書:「左寄り」の内容修正、来年1学期から使用へ

 教育科学技術部の幹部は21日、国防部や統一部などが左派偏向と指摘し修正を要求している「近・現代史教科書」について、「問題の教科書の内容を修正し、来年1学期からは生徒たちが修正された教科書で学習できるようにしたい」と明らかにした。

 この幹部は「来月までに各界からの教科書修正要求の内容を検討する予定で、現時点では具体的な意見は決まっていない。しかし要求された内容の中には一理あると考えられる内容もあるため、これらを近・現代史教科書修正の過程で反映させたい、というのが教科部の立場だ」と述べた。

 国防部・統一部・大韓商工会議所などの関係者で構成される「教科書フォーラム」などは、現在高校2年と3年で使用されている6種類の「近・現代史教科書」に左派偏向の記述がみられるとして、用語の修正などを教科部に要求している。

 例えば国防部は「中央教育」が発行した教科書の中で、「李承晩(イ・スンマン)政権は分断状況を利用して独裁政権を維持した」という部分を、「共産主義を防ぐために最善を尽くした」とするよう、また統一部は「天才教育」が発行した教科書の中で、「北朝鮮の文化は南韓(韓国)に比べて相対的に伝統文化の影響がそのまま維持されている」と記載された部分を、「北朝鮮の文化は南韓に比べて開放されておらず」に修正するよう、それぞれ教科部に要求している。

 教科部は10月末までに専門家の意見を取りまとめ教科部の案を確定し、その後11月中に該当する出版社に修正を依頼する予定だ。

 ハンナラ党のナ・ギョンウォン第6政策調整委員長もこの日、「一部の歴史教科書に理念的偏向がみられるという指摘があり、“左派偏向”とされた部分については具体的な検討を行った上で修正するのが正しいと考える」「党の次元で専門家たちと協力し、誤った部分についての意見を取りまとめこれを教科部に伝える予定だ」と述べた。

 ナ委員長はまた、「政府を称賛する問題、偏向した記載に対する国政監査での指摘などもあり、とりわけ特定の歴史教科書は2005年から07年までの3年間に307件が修正された。このような誤りを正常化させるという次元での話だ」「韓国の歴史は民主化と産業化を同時に成し遂げたにもかかわらず、一方に対しては肯定的な評価が足りないという側面があるようだ」とも指摘した。

 一方、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権(参与政府)で最後の国防長官を務めたハンナラ党の金章洙(キム・ジャンス)議員はこの日、「済州4・3事件の評価が左派性向中心になっていると国防部が判断し、客観的な評価を要求するという趣旨の文書を今年初めに国務総理室所属の“済州4・3事件真相究明および犠牲者名誉回復委員会”に送付した」と明らかにした。国防部は当時、4・3事件を「左派勢力による武装蜂起」と規定すべきだと主張していたという。

ユン・ジョンホ記者

アン・ソクベ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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