ここから本文エリア 現在位置:asahi.com> マイタウン> 北海道> 記事 夕張、市立診療所を新築・移転へ2008年09月19日 夕張市の旧市立総合病院を引き継いだ公設民営診療所・夕張医療センター(理事長、村上智彦医師)が老朽化している問題で、藤倉肇市長は18日、市立診療所を新築・移転する考えを正式に表明した。財政再建団体の同市に財源はないが、医療・福祉の水準を維持する意味から総務省は認める方向だ。市は地方自治体財政健全化法(新法)に基づいて来年度中に作成する10年度からの財政再生計画に予算を盛り込む方針だ。 同日開かれた市議会9月定例会で、伝里雅之議員の質問に答えた。診療所を別の場所に新築する構想で、築35年の現在の建物にこれ以上改修を重ねても「コスト削減の効果が期待できない」(市幹部)ためだ。同市は今後、現建物の改修・維持と改築・移転のコスト差を精査して総務省や道に説明するとともに、新診療所の規模や機能、財源確保の検討、指定管理者の医療センターや地元医師会との調整などに入る。 新築に向けては専門家や関係者による検討組織を「早期に立ち上げる」という。移転先は、市長は明らかにしなかったが、現在の市街地北端から中心部の清水沢地区に移すことが検討されている。 伝里議員が「新築まで最低3年、4〜5年かかる」として、その間の医療センターの光熱水費割高分についてただすと、市長は「今後とも削減努力を図るが、市内唯一の有床医療機関を守る意味からも、一定の負担のルールを決めて補助していかねばならない」との考えを示した。 一方、夕張医療センターが提案している市による夜間急病センターの開設について藤倉市長は同市議会で、「夜間5時間の診療で年間最低3千万円の負担が必要」とし、「(財政再建団体の)市のおかれている現状から(開設は)困難だ」と述べた。 市側は市内3医療機関が週3日を分担して窓口は午後7時まで(実際には一部医療機関は午後6時半まで)、急病対応は午後9時まで「夜間診療」をしていると説明。市長は「医療センターには残り2日の夜間診療対応を要請したい」と話した。 しかし、夕張医療センターが提案する急病センターは、窓口を午後9時ごろまで開けておくというもの。伝里議員は「夜間急病センターの費用は今年度は夕張医療センターが負担するとしており、半年ほどやってもらい、必要ならば来年度の予算措置もしていかなければならないのではないか」と提案した。
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