東京都荒川区は19日、カラスや野良猫にむやみにエサをやることを禁じる条例案を発表した。同区によると、野生のサルやイノシシへの餌付けを禁じる条例を持つ自治体はあるが、罰則まで設けるのは全国で初めて。
区内では、自宅敷地内で大量のカラスや野良猫を餌付けし、周辺の生活環境を悪化させる事例が後を絶たないことから、規制の網をかぶせることにした。
条例案によると、自分が飼っていない動物に餌をやり、鳴き声や悪臭で環境を悪化させ、周辺住民に迷惑をかける行為を禁止する。住民の申し立てを受けて区が調査し、違反者には中止を勧告。従わない場合は弁護士らによる審査会に諮って改善命令や氏名公表をする。
区の立ち入り調査を拒めば10万円の罰金、命令に従わない場合は5万円以下の罰金を科すという。
区は「動物への餌付けをすべて禁じるものではない」と説明している。11月開会予定の定例区議会に提案し、来年4月の施行を目指す。【合田月美】
毎日新聞 2008年9月20日 東京朝刊