口の中に生ゴミを包んで陰干しをした雑巾が入っているような・・
森達也さんの本を読んでいた。
本論とは直接関係ないけど、そこに「面白い表現」があったのを見つけた。
それは、「口臭」についでである。
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ヘビースモーカーの同世代で、凄まじい口臭の男がいる。濡れたままの雑巾に生ゴミを包んで三日ほど陰干ししてから、口の中に入れたのじゃないかと思いたくなるほどに凄まじい。ところが本人は気づいていない。誰かが言ってやればよいのだろうけど、「ねぇ、口の中に生ゴミを包んで陰干しをした雑巾が入っているようだよ」とはさすがに言いづらい。
森達也著『メメント』(実業之日本社2008年)82頁より
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この一節が出てきたとき、僕は、またその箇所を何度も、一字一句を確認しながら、その「臭い」を妄想しながら読み返した。 そして、最初はその表現に爆笑し、その後、思い当たる「臭い」がリアルに浮かんできて、うへぇぇぇぇ~~~と苦笑しながら唸ってしまった。
自分も口臭を気にする。車にはガムを。そして、部屋にはモンダミンを常備している。気にしすぎても仕方ないんだけど。
でも、自分以外の他人に「臭い!」などと指摘されようものなら本気でヘコム。そして、僕のまわりにも、口臭のヒドイ人がいる。誰とは言わないけど(言えないけど)。
で、僕は、今まで、ヒドイ口臭に対しては、
「ザリガニの死骸のような臭い・・・」
という表現を使っていた。(この表現は誰の受け売りかは忘れたけど・・・。)
朝起きて、ふと自分の口臭に気づいたとき、
「うわ、俺、ザリガニの死骸みたいだな・・・」
なんて思っていた。
それにしても、森達也さんの、
濡れたままの雑巾に生ゴミを包んで三日ほど陰干ししてから、口の中に入れたのじゃないか
という表現は、見事である。(生ゴミを出す際に、ゴミ袋から床に滴り落ちた「汁」を濡れた雑巾(すでに臭い)を使い掃除した直後、手の臭いを嗅いで、悶絶したばかりなので・・・。)
口臭を気にする自分は、他人の口臭もとても気になる。でも、他人の口臭を注意するほど、自分の口臭は「フローラルの香り」ではない・・・。
そして、
僕は、今日も、自分の発する「臭い」におびえたり、警戒したり。
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