成田幸満ちゃんが倒れていた現場付近を調べる捜査員=21日午後4時12分、千葉県東金市東上宿、鎌田正平撮影
成田幸満ちゃんが倒れていた現場周辺を調べる捜査員=21日午後5時37分、千葉県東金市東上宿、筋野健太撮影
21日午後0時37分ごろ、千葉県東金(とうがね)市東上宿の東金南公園脇で「路上に女児が倒れている」と近所の住人から110番通報があった。千葉県警が調べたところ、女児は同市田間、看護師成田多恵子さん(37)の次女で保育園児の幸満(ゆきまろ)ちゃん(5)で、衣服を身につけておらず仰向けになって倒れていた。発見時は心肺停止状態で、収容先の病院で間もなく死亡が確認された。県警は死体遺棄事件とみて東金署に捜査本部を設置した。
捜査本部によると、幸満ちゃんのからだには刺し傷やすり傷、首を絞められたといった目立った外傷はなかったという。22日に千葉大で司法解剖して死因を調べる。
幸満ちゃんを発見したのは、現場近くに住む中学1年の男子生徒(13)。帰宅途中の21日午後0時26分ごろ、公園西の資材置き場前にある側溝のふたの上に、公園側に足を向けて仰向けで倒れていたのを発見し、この生徒の母親が110番通報した。正午ごろには異状はなかったといい、捜査本部は約30分の間に置かれた可能性が高いとみている。
母の多恵子さんが午後4時半ごろ「子どもがいなくなった」と東金署に届け出、祖母(67)と共に遺体を確認して身元が分かった。
発見場所から約100メートル離れた駐車場では、幸満ちゃんが行方不明になる前に身につけていたものに似ている紺色の半袖Tシャツ、黒っぽい半ズボン、下着、黒色でピンクの線が入った運動靴が一緒に袋に詰められ、1カ所に隠すように置いてあったのを捜査員が発見した。
幸満ちゃんは多恵子さんと2人暮らし。幸満ちゃんは20日夜、多恵子さんが夜勤のため、多恵子さんの父親が院長を務め、勤務先でもある「東金中央クリニック」に一緒に行き、宿泊した。21日朝に同クリニックから保育所の友だち宅に遊びに行くと言って、病院を出た後に行方が分からなくなったという。
友だちの家は徒歩で行ける距離で、何度か行ったことがあるという。この日、友だち一家は不在だったため、友だちの母から幸満ちゃんは来なかったと知らされた多恵子さんが署に届け出た。
倒れているのを目撃したという現場近くに住む女性(75)は「女の子が手足をだらっとして仰向けに倒れていた。全く身動きせず、救急隊員が抱き上げて救急車に収容していた。髪の毛が長く、すぐに女の子と分かった」と話した。午前10時ごろ、現場の前を通ったときは異状はなかったという。
東金市は人口約6万人。千葉県のほぼ中央で、千葉市や九十九里町に隣接する。現場はJR東金駅から約500メートルの同市の中心部にある住宅街。国道126号がそばを走り、公園などのほか、駐車場や空き地がある。