ネブラスカ州議会議員が神を提訴
2007年9月20日
Photo:Soham Banerjee
ネブラスカ州議会議員のErnie Chambers氏(オマハ市選出、民主党)が9月14日(米国時間)、神を相手に訴訟を起こした。
全能なる神とその信者に対して、テロの脅威を止めるよう命じることを裁判所に求めている。
ネブラスカ州の地方裁判所に提出された訴状(PDFファイル)は、神と、神を信じる全宗派の信徒は、「無数の人間に大きな被害をもたらすテロリズムの脅威を作り出してきたし、現在も作り続けている」と主張している。
そうした脅威が存在することは神の歴史からも明らかだ、とChambers氏は訴える。
Chambers氏は、頭韻法をうまく使って、「恐い洪水、実にひどい地震、すさまじいハリケーン、とてつもない竜巻、死を招く疫病、激しい飢饉、地を荒らす干ばつ、殺し合いの戦争、先天性の欠損症など」を引き起こしているとして、神を非難している。
訴状はさらに、神が、神にまつわる年代記を「文字に記して配布し、地上に恐怖や不安、心配、脅威、疑念を引き起こし、被告人(神)の意志への服従を強制している」とも主張する。
1970年以来、オマハ市の代表としてネブラスカ州議会議員を務めてきたChambers氏は、ダグラス郡の地方裁判所に対して、審議なしで略式判決を出すか、もしくは「裁判所がそうした行為を行なうことが無益でないと考えるならば」早々に審議の日程を決めるよう求めている。
Chambers氏はまた、神が疫病やテロの脅威を発することを永久にやめるよう裁判所命令を出すことも要求している。通常、神は全能者であると考えられているので、この命令がどう役に立つかは定かではない。
Chambers氏は、神が遍在し、全知であることは認めている。だが、神はいたるところに存在するのだから、ネブラスカ州の裁判所の司法権もおよぶはずだし、神は何でも知っているのだから、告訴通知を出す必要もない、とChambers氏は語る。
この訴訟は、Chambers氏が「あなたがどこにいようと構わないから、いるなら出てきてください」と呼びかけて神に姿を現してもらおうと努力したが、多くの被告人がそうであるように、神は呼びかけに応じず、結局原告は裁判に訴えるしかなかったということを示している。
ネブラスカ州のローカルテレビ局『WOWT』は、Chambers氏が訴訟を起こした背景には、州法がいかなる理由でも訴訟を起こす権利を認めていることを再確認する意図があったと伝えている。
Chambers氏に取材を申し込んだが、応じてもらえなかった。
また記者は、神に対しても「コメントをください」と宗派を超越した祈りを捧げたが、すぐには答えてくれなかった。
「Chambers氏」対「神」の訴訟の行方は気になるところだ。
[日本語版:ガリレオ-藤原聡美/合原弘子]
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