救急搬送の現場から医療機関までが連携することで救命率を向上させようと、諏訪地方の医師や救命士、看護師らの有志で組織する「諏訪地域外傷病院前救護を普及する会」が20日、茅野市の諏訪中央病院看護専門学校で信州(諏訪)外傷セミナーを開いた。諏訪地方を中心に救急隊員や医師、看護師22人が受講して、救命につなげる高度な対応について技能を習得した。
関係者によると、ほかの地域では1年に1、2回の割合で開催されているが、諏訪地方では今回が2年半ぶりのセミナー。修了者には日本救急医学会の認定証が贈られる。これまでに諏訪地方では百人前後が認定されている。必要な知識、技能あれば3割程度の外傷死が防げるともいわれている。
事故発生から1時間後には、医療機関で処置が受けられるよう、現場から病院までの活動を従事者が共通認識を持って迅速、的確に行うことが求められる。セミナーでは現場での活動や救急車内での活動について、講義や実習を通して専門技術を身に付ける。
受講者を指導するのはセミナーで優秀な成績を収めてさらにトレーニングを積んだインストラクターで、受講者の2倍近い40人が県内各地からボランティアで参加した。
セミナーでは、脊髄損傷を前提としたいろいろな場面での救命方法として、現場の状況の把握や気道の管理、傷病者の観察、車内からの救出法などを取り上げた。受講者たちは真剣な表情で救命のための技能向上を目指して取り組んでいた。