伊南4市町村の首長、正副議会議長らで組織する「伊南医療対策検討会」は20日、第2回を駒ケ根市役所で開き、県救急医療機能評価委員会が16日、昭和伊南総合病院の救命救急センターについての現地調査結果を「機能としては不十分」と県に報告したことに対する緊急アピールを行った。「地域の安心を守り、何としても救命救急センターを守るため、全力を尽くして今後の対応をしていく」として、地域住民の支援を求めた。
検討会は、併せて早急に県に出向き、同評価委の報告を受けた県の今後の対応などをただす抗議行動をしていくことを申し合わせた。
同評価委は報告で、医師数不足などを調査結果の理由に挙げた。これに対し、アピールは「勤務医師の懸命な努力により、救命救急医療を担っている。一方的な機能評価の結果報告であり、誠に遺憾」とした上で、伊南地域の市町村、議会、昭和伊南が一丸となって対応することを掲げ「地域の絶大なる支援をお願いする」と呼び掛けた。
検討会ではアピールを採択し、昭和伊南を運営する伊南行政組合長の杉本幸治市長がアピール文を読み上げ、「地域医療の最後のとりでとなる昭和伊南を守る視点で取り組みたい」と述べた。アピールは、昭和伊南の現状などを加えて住民に知らせていく考え。
検討会では、さらに「不十分という報告は県に出された。十分にしていきましょうというのは、我々もして行かなければならないが、県衛生部もしなければという指摘だと思う」「報告を受けて県はどうするのかというところに入っていかないと、この問題は進まない」などの意見が出された。
同評価委の報告を受けた際、渡辺庸子県衛生部長は近く昭和伊南に報告内容を説明し、改善策を協議する方針を示している。
杉本市長は検討会で「県がどういう対応をするかがなければ、(報告内容の説明だけでは)受けられないと県に伝えている」と報告。こうした協議を踏まえ、県が昭和伊南を訪れる前に県に対する緊急の抗議行動を起こすことを確認した。