聴覚障害者と救急隊員の意思疎通をスムーズにするため、益田広域消防本部はイラストを使ってけがの場所や病状を尋ねる専用の対応シートを作製した。これまでのように筆談などに頼らず、より迅速な救急救命活動をする。管轄する益田市と島根県津和野、吉賀町の救急車8台すべてに配備した。
対応シートは50ページで職員が手作りした。各ページに体のイラストと「痛い」「はきそう」「目まいがする」などの症状が書いてあり指さして答えてもらう。「脈を調べます」「点滴をします」など処置の説明をするページもある。
シート作製のきっかけは、聴覚障害者を招いて3月に開いた救急隊員の勉強会。ジェスチャーでは処置の意味が十分伝わらず、意思疎通をしないまま患部に触ったり、酸素マスクを着けたりすることが患者を不安にさせていると分かった。絵で処置の説明や問診をしてほしいとの要望もあり、障害者の意見を取り入れながら4カ月掛かりで仕上げた。
【写真説明】救急車に配備した手作りの対応シート
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