【第5回】 2008年05月07日
ニッポンの借金はこう減らせ!
法人税を半減せよ!
上田 今回は、長年日本の最大の問題となっている「財政赤字」についてお話を聞きたいと思います。国のプライマリーバランス(基礎的財政収支)はここ数年、少しずつ減って来ましたが、08年度の当初予算では再び赤字幅が拡大しています(右表)。今まで順調に赤字削減が進んできたのに、一体なぜですか。
竹中 理由は「景気が減速している」から。それと、小泉政権以降、再び財政のタガが緩み始めていることもあります。景気が悪くなると税収が増えないし、消費も落ち込むという状況の中で、現在、赤字の削減が滞っているのです。
上田 そもそも、竹中さんが大臣になる前は、「プライマリーバランス」という言葉を聞いたことがなかったです。
竹中 おっしゃるとおりです。プライマリーバランスという言葉は、小泉政権で私が持ち込んだ概念です。経済学の世界ではポピュラーな言葉ですが、行政サイドでは用いられておらず、当初全く理解してもらえなかった。
これは金利分を除いた収支のことなので、企業で言えば利払い前の収支に当たります。つまり、「今年の政策経費は(借金に頼らずに)今年の税収で賄いましょう」ということを提唱したのです。
GDPに対する国債残高の比率(いわば借金の残高)が増えれば増えるほど、国は財政難に陥ります。しかし、国の経済成長率や金利水準が普通の状態なら、プライマリーバランスを回復させれば、GDPに対する国債残高の比率が上昇するのを止めることができます。だから、プライマリーバランスは非常に重要な概念なのです。
債務残高は先進国中最悪!
超インフレや国債価格暴落も
上田 国と地方の長期債務残高をGDPと比較すると、日本は債務残高がGDP対比148%、実に1.5倍という高水準(下表)。これでは、日本人は働けど働けど暮らしが楽にならないでしょうね。
竹中 債務残高が膨らみ続けるとどうなるかを、まだ皆があまりわかっていないんです。よい例が、6~7年前のアルゼンチン。財政赤字が膨らんだ結果、国の信用が落ち込み、海外からの投資資金が滞って通貨価値が暴落しました。そのため、インフレ率が年間40%にも達し、国債が紙くず同然になってしまった。日本も終戦直後に急激なインフレや国債価格の暴落を経験していますが、このままだとそれに近いことが起きかねません。
【異色対談 小飼弾vs勝間和代「一言啓上」】
知的生産術の女王・勝間和代、カリスマαブロガー・小飼弾が、ネット広告から、グーグルの本質、天才論に至るまで持論を徹底的に語り合った。豪華対談を6回にわたって連載する。
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竹中平蔵
(慶應義塾大学教授 グローバルセキュリティ研究所所長)
1951年生まれ。一橋大学経済学部卒業後、日本開発銀行に入行。ハーバード大学、ペンシルバニア大学客員研究員、大阪大学助教授、慶應義塾大学教授などを経て、01年より小泉内閣で金融担当大臣、経済財政政策担当大臣、郵政民営化担当大臣、総務大臣を歴任。04年から06年まで参議院議員。
上田晋也
(タレント)
1970年生まれ。お笑いコンビ「くりぃむしちゅー」メンバー。早稲田大学教育学部中退。91年に有田哲平とコンビ結成。レギュラー出演番組多数。
経済学者・竹中平蔵と、くりぃむしちゅーの上田晋也が、毎週楽しくわかりやすく日本の経済を解説。同名テレビ番組(BS朝日、朝日ニュースター)の一部を再構成してお届けします。