自民党の麻生太郎幹事長は16日午前、中国の李肇星前外相と党本部で会談した。中国側が希望したとされ、自民党総裁選で優位に立つ麻生氏の新首相就任を見越した関係強化が狙いと見られる。ただ、李氏は昨年4月に外相を退いてからは「外交面での中国政府内での影響力はほとんど失われている」(外務省幹部)という。
李氏は15~17日に開催される日中両国有識者の「第4回東京-北京フォーラム」に出席するため来日した。
麻生氏と李氏は共に外相として、小泉純一郎元首相の靖国神社参拝問題で悪化した日中関係改善に努力した。
麻生氏は12日の総裁選の公開討論会で「(麻生政権になったら)中韓を敵に回すのではないかと心配されているが、(李氏とは)不思議とうまがあった。この人と私の関係が日中関係改善の端緒だった」と強調していた。
16日の会談は「タカ派」イメージのある麻生氏にとっても、対中外交姿勢に対する党内の不安を解消する思惑があるようだ。
【西田進一郎】
毎日新聞 2008年9月16日 12時07分
9月16日 | 自民・麻生氏:中国前外相と会談 |