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イキガミ:星新一さんの著作に類似? 遺族が抗議 出版の小学館は反論

 SF作家・星新一さんの遺族が、国家によって死を宣告される若者と、それを伝える役人の姿を描いた間瀬元朗さんのマンガ「イキガミ」(小学館)が星さんの著作に類似しているとして18日、公式サイト上で小学館に抗議したことを明らかにした。これに対し小学館と作者側は「もし似ているのであれば、偶然の一致」と反論した。

 「イキガミ」は、「国家繁栄維持法」という法律の下に、無作為に選ばれた若者が幼児期に体内に注射されたウイルスによって死亡するが、死と向き合うことで、生き甲斐などを見つけて国家の繁栄に寄与する意識を植え付けていくというパラレルワールドを描いた物語。05年1月から「週刊ヤングサンデー」で連載が始まり、08年7月の休刊後は「ビッグコミックスピリッツ」で連載されている。コミックスは5巻までで200万部以上を発行しているほか、27日からは映画も公開される。

 星さんのサイトによると、次女のマリナさんは4月、知人から「イキガミ」が星さんの小説「生活維持省」に似ているとの指摘を受けて読み比べてみたところ、設定が似ていると判断、星さんの著作を多数出版している新潮社を通じて小学館に問い合わせた。しかし、小学館側からは「05年に両作品が似ているという指摘があったと日本文芸家協会から連絡を受け、その後、比べてみたが問題ないと判断した。もし似ているのであれば、偶然の一致であり、『イキガミ』関係者が事前に『生活維持省』を読んだという事実はなく、偶然なのであるから、関係者に非はない」との回答があったという。

 マリナさんは今回の公表で「小学館への問い合わせ及び抗議は終わりにし、判断はそれぞれの読者のみなさまにおまかせしたいと思います」とし、18日から3カ月間、「生活維持省」の全文を無料で公式サイトに公開した。また、小学館の公式見解も掲載している。

 一方の小学館は「星マリナさんとは充分な時間をかけて意見を交換し、作品についての検証もお互いに綿密に行いました。結果として双方の見解が併記されることになりました。この一事をもって、実情をご理解ください」(広報室)とのコメントを発表した。【渡辺圭】

2008年9月21日

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