2008年9月21日日曜日
2008年09月21日10時07分
学校給食の卵焼きに事故米が混入していたことを発表する月岡正美県教委学校安全保健課長(右)と土橋久義理事長=20日、県庁記者会見室(上)、保湿剤として事故米を原料とするでんぷんが使われた「手づくり厚焼玉子500」
事故米の不正転売問題で、県学校給食会と県教育委員会は二十日、県立学校と県内二十市町の小・中学校など百二十八施設で昨年給食に出された卵焼き約六万食に、カビが付着した事故米を原料とするでんぷんが使われ、児童生徒約四万五千人が食べていたと発表した。現在までに健康被害の報告はないという。県学校給食会は過去にさかのぼって調査を進めており、さらに被害が拡大する可能性を示唆。関係者にショックが広がっている。(関連記事19面)
県学校給食会によると、問題の商品は東京都目黒区の「すぐる食品」が製造した「手づくり厚焼玉子500」。昨年四月六日から十二月二十六日までの給食で、幼稚園五園、小学校九十四校、中学校二十校、県立高校三校、県立特別支援学校三校、その他福祉施設等三施設で約六万七百食を確認。同商品は給食の定番メニューで、この期間だけで松戸特別支援学校で五回、八千代市少年自然の家では九回も納入されていた。
「すぐる食品」は二〇〇三年九月から現在までに新潟県長岡市の「島田化学工業」から仲介業者を通じ卵焼きの保湿剤として、でんぷん四百六十キロを購入した。
「島田化学工業」は農林水産省から購入したカビが付着した事故米で作った工業用でんぷんを仲介業者に販売し、新潟県は十七日、回収命令を出した。翌十八日、すぐる食品が千葉県学校給食会に十八品目の危険商品を通報。十九日夜に「手づくり厚焼玉子」が学校給食で使われていたことを特定。商品百グラム当たりのでんぷんは〇・七グラムの割合で混入していた。
県学校給食会は、一九七九年からすぐる食品と取り引きがあり、卵製品では最大の納入先。現在、〇三年九月から同商品の納入実績を調査しているが、「二十年くらい前からこの商品が入っていた」といい、被害は拡大するとみられる。県教委は納入先の学校名をホームページで公表している。
県学校給食会の土橋久義理事長は業者に対し「非常に遺憾。食の安全安心が取りざたされている中で、これは悪意としか思えない」と憤った。被害者に対しては「あらためて責任の重大さを痛感している」とチェック体制の見直しや納入業者の変更をするという。
「島田化学工業」のでんぷんをめぐり、愛知県教委は十九日、過去五年間で四十五万食の給食オムレツで使用されていたことを明らかにした。長野県教委は二十日、本県と同じ卵焼きが給食で出され約三万食に使われていたと発表した。
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