平成20年9月14日(16時49分〜16時59分)
なし
Q:国籍不明の潜水艦が領海内を航行したということですが、これについての受け止めをお聞かせ願いますか。
A:先程、局長から事実関係についてブリーフィングをさせていただきましたが、今朝、早い時間にそういうことがあったということであります。相手の国籍というものもまだわかっておりませんし、この時点であまり確たることを申し上げる段階ではないと思いますが、私としては「引き続き全力で捜索をするように」こういう指示を出したところでありまして、全力で捜索をしてもらってそういったこと、事実の解明を全力でやっていくと、これが現段階での姿勢であると思っております。
Q:周辺国などへ国籍の特定のために問い合わせとかはされないのでしょうか。
A:これは、こういうことで報道もあれば、当然、ニュースを皆さんご覧になっているというふうに思いますし、これは我が方だけの話かどうか、外交ルートということもありえますでしょうし、それは今後検討していく必要があれば、やるべきことはきちっとやっていきたいと思っております。
Q:国籍が判明した場合には、どのように対応される予定でしょうか。
A:もし国籍が判明してくれば、これも我が方というよりは外交ルートになるかもしれませんので、この時点で私から確たることを言うべきかどうか、当然、相手国に事実であるかどうか、また抗議といったことをきちっとやっていくという必要が出てくるのではないかというふうに思います。
Q:平成16年に中国の潜水艦が日本の領海を横切りましたけれども、今回も中国でないかという見方もありますけれども。
A:これは、まだ確認中ということで、情報がございませんので、今の段階では「全くわからない」ということでございます。
Q:ブリーフのあった時点の話から何か新しい話はありませんか。
A:ほとんど時間も経っておりませんので、事実関係については局長が申し上げたとおりです。
Q:政府の対処方針にあるように、今回直ちに海上警備行動をとらなかった理由は何でしょうか。
A:対処方針は色々な場合がございますけれども、既に「潜水艦だ」という確認ができている時点では、たぶん領海の外に出て行っただろうと、色々なことから判断をして、また、領海の外にいてもまた戻ってくるという可能性というか、蓋然性がある場合には、そういうこともあり得るということでありますが、今回の場合は「そういう可能性ということが低い」というようなことがあって、今の段階ではそういうことに至っていないということであります。ただ、先程申し上げたようにまだ全力で捜索をしているわけでございますから、新しい状況がもしあれば必要に応じてやるべきことはやっていくという状況はまだ続いているということであります。
Q:その関連なのですが、「国籍は分からない」と、しかし「潜水艦である」ということは100%間違いないのでしょうか。
A:潜水艦であるということは、アクティブソナー等から判断しておそらく潜水艦だろうという判断をしているということであります。
Q:「おそらく」ですか。
A:はい。
Q:改めて、国籍不明の潜水艦が領海侵犯をしたということについてはどのように受け止めていますか。
A:大変遺憾なことでありますから、先程申し上げましたように全力で捜索をして事態を明らかにしていく必要があるというふうに受け止めております。
Q:今回事前に領海内に入る前には、把握できていなかったと考えていいのでしょうか。領海に入るまでは、状況を把握できていなかったということでしょうか。
A:局長から説明があったと思いますが、6時56分に潜望鏡らしきものを視認したということが最初でございますので、それ以前にはそういう状況は把握していなかったということです。
Q:それについては、どのようにお考えでしょうか。
A:まさにその時点では、まだ潜水艦であるかどうかということも含めて確認が出来ていなかったわけでございますから、見つかるにこしたことはありませんけれども、それすら見つからなかったという可能性も逆に言えばあるわけでございまして、その時点でそういうものを視認して、すぐにパッシブをアクティブに切り替えて、多分7時ぐらいだったかと思いますが、ソナーを発動して潜水艦であるということで、確認をして追尾をしたということでありますから、当初の動作としてはそういうことでなかったかなというふうに思っております。
Q:その後見失ってしまったわけですけれども、これについては。
A:海の中ですから、私もその場に居合わせたわけではありませんし、こういうことの機械やオペレーションの専門家ではありませんが、このアクティブソナーで追尾しながら、しばらくソナーに反応があったわけです。その後、8時39分に失探したということでありますから、海の中ですから色々な状況の中でそこまでは相手をソナーで探知をしていたが、しかし、その時点で失探をしたということであります。ですから、まさに少し範囲を広げて全力で捜索をしてもらうという段階に入ってきているということだと思います。
Q:この件で大臣は官邸と何か連絡を取って、指示等はあったのでしょうか。
A:事務方を通じて総理から「追尾、情報収集を徹底して万全の対応をとってくれ」というご指示を早い段階で戴いておりますので、そういうことで連絡をとりながら対応したということであります。
Q:大臣のところに一報が入るまでの時間ですが、これをどういうふうに評価しますか。
A:お渡しした資料にありますように、まずは潜望鏡が見えたという後に、ソナーをすぐに発動したということで、まずは、潜水艦かどうかということを確認する必要があると思います。その上で、当たり前のことでありますが、我が自衛隊の艦船かどうかということも確認をした上で、色々な連絡等の手続に入ったということでありますから、その辺りは速やかにやるべきことはやっていただいたのではないかというふうに思っております。
Q:発見から発表がこの時間になったというのはどういった認識、どういった理由からなのでしょうか。
A:これは局長も申し上げたと思いますけれども、先程言いましたように、広域の捜索ということで、次の段階に入ってきているということもあり、また、その段階でお知らせをする必要があろうということで、皆様方にお呼びかけをしたのがお昼過ぎだったと思いますが、そのくらいの時間になったということであろうかと思います。
Q:ただ、領海侵犯というのは、主権の侵害ですから、航空自衛隊の領空侵犯があった場合には直ちに公表するのですけれども、そういう意味でもやや遅かったのではないかという気がするのですが、領海侵犯が確認されたのは、もっと早い時間ですから。
A:細かいことは、局長からブリーフしたと思いますけれども、領海の中で最初に見たときには、潜望鏡が見えていたということですが、本当にこれが潜水艦のものであるのかということと、我が自衛隊の艦船なのかどうかということを確認しないといけないわけでありまして、先程申し上げたように、そういう確認をきちんとした上で対応したということだと思っております。