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ソウルの売春街、今の様子は(下)

 午前1時ごろ、「588」の一帯をぐるっと回っていると、客引きが近付いてきた。駅方面の出口に近い店の前を通ると、40代の女性に「今日はまだ誰も来ていない。安くしてあげるから、顔だけでも見ていってよ」と言われ、強引に店内へ連れ込まれた。中には薄い合板で仕切られた小部屋が五つあった。広さが一坪(3.3平方メートル)にも満たない小部屋にはベッドだけがあった。記者が手を振り払って店を出たところ、後ろから悪口を浴びせられた。

◆下月谷洞の売春街 

 城北区下月谷洞の通称「弥阿里テキサス」は、入口からすでに寂れた感じだった。売春宿が立ち並んでいた路地は、高さ2メートルを超える塀で取り囲まれていた。入口の前には警察署が取り付けた「売買春行為禁止」という大きな警告看板があった。街路灯に照らされ明るい感じの表通りとは違い、路地の中は暗かった。

 入口の前には5‐6人の客引きがいた。記者が路地に入ろうとすると、近付いてきて声をかけた。あっという間に客引きに取り囲まれた。値段を吹っかけてくるようでもあったが、警察がいつ来るのかと恐れ、様子を気にしているようにも見えた。

 ここはほかの売春街とは異なっていた。女性の姿を外部に露出させているほかの売春街とは違い、すべての売春宿が窓を黒いビニールで覆っていた。取り締まりを恐れているためなのか、外側から施錠した売春宿も目に付いた。30分の間、路地に入ってきた男性は3人しかいなかった。一時期、売春婦だけで1000人を超えていたこの一帯は、すっかり廃墟と化していた。

 午前1時20分、鍾岩警察署が5人の女性を売買春容疑で連行した。警察が下月谷洞の売春宿に突入したのだ。警察は「“あんまマッサージ店は摘発された後、浴槽を取り外しさえすれば営業を再開できるが、こちらはそういったものが何もないため、引き続き取り締まりを行わなければならない」と話した。警察が売春婦らの取り調べを行っていた午前2時、下月谷洞の入口に1台のタクシーが停まり、男性二人が降りて路地の中へ入っていった。

イ・インムク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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