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「北京五輪で中国の宗教圧迫拍車」 米国務省報告

2008.9.20 17:32

 【ワシントン=山本秀也】中国の人権改善を公約して開かれた北京五輪について、米国務省は19日発表した宗教の自由に関する年次報告書(2008年版)で、五輪開催期間をはさんだ宗教状況が逆に悪化したことを示す結果をまとめた。対中関係を重要視して、ブッシュ大統領の五輪出席をあえて実現した米政府だが、信仰の権利を含む人権改善の期待は裏切られたかたちだ。

 昨年来の中国の宗教状況について、報告書は「宗教の自由に対する政府の対応は依然お粗末であり、チベット、新疆ウイグル自治区、北京などの地域では統制が強化された」との総括的な判断を打ち出した。

 「五輪開催の成功」を口実にした活動規制や信者への抑圧が事例の主な内容だ。漢民族が多数を占める中国本土では、非公認のキリスト教会(いわゆる「家庭教会」)や、国内で非合法化されている気功集団「法輪功」が、主な弾圧対象となったとしている。

 家庭教会については、中国当局の命令により「一定期間中の活動停止」を文書で誓約させられたケースや、ローマ法王の支配を拒んでカトリック信者に加えられる弾圧が指摘された。

 報告書は、海外の法輪功組織が指摘する五輪期間中のメンバー拘束や獄中死などを挙げる一方、「中国政府が外国のメディアや政府当局者によるメンバーとの接触を妨害するため、確認できない」とした。

 3月に騒乱事件が起きたチベットに関しては、報告は「愛国主義教育」として、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世を非難する文書への署名が、僧侶らに要求されたとしている。また、昨年3月には、チベット系住民の比率が高い青海省で、ダライ・ラマの写真を踏みつけるよう高僧に迫る「踏み絵」が行われたことも報告に盛り込まれた。

 このほか、分離・独立運動を抱える新疆ウイグル自治区でも、イスラム教徒への嫌がらせや弾圧が続く一方、地元住民が中国支配に抗議する街頭行動に訴えたケースなどが報告された。

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