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MRJはやはり危うい

2008-09-19 20:29:13 | Weblog
 まず最初にgoogleに載っている、「諸君!」の三菱リージョナルジェット(MRJ)批判記事について、という「週刊オブイェクト」(以下オブと略す)というホームページの記事である。これは雑誌「諸君」の今年の4月号に載った記事に対する批判である。確かに諸君の記事に色々な欠陥はあるものの、総合的には日本の航空産業と、行政の欠陥を適切に指摘していると考える。

 ところがオブは残念ながら、飛行機のメカに対するミクロな批判に終始して、肝心な所を見ていない。しかし何よりも困るのは、批判の為にする虚偽がある事である。例を挙げよう。諸君の記事に「そもそも軍が救難用に飛行艇を運用しているのは我が国だけである。他国はこのような任務にはヘリコプターを使用している。米軍ですら装備していない贅沢な(あるいは必要性のない)機体を装備する合理的理由は見あたらない。」とあるのに対して、オブは、

『また清谷氏の飛行艇に対する「米軍ですら装備していない贅沢な(必要性の無い)機体」という認識は誤っています。というのも、飛行艇はロシアが装備しており、決して贅沢な装備などではないからです。ロシア非常事態省はジェット救難飛行艇ベリエフBe-200アルタイルを運用していますし、ロシア海軍は以前、ジェット哨戒飛行艇ベリエフA-40アルバトロスを20機発注しており、それは資金難で実現していないのですが、昨今の原油高によるロシア財政の復活により、再び採用される可能性が出てきています。』

 と批判している。しかし諸君の記事が、飛行艇を保有していない、と言っているのは「軍」が「救難用」にと言う事である。ところがオブが飛行艇を保有していると言っているのは、軍ではなく、非常事態省と言う役所である。しかも軍の救難用と、民間を対象とする役所の救難用では明らかな相違がある。

 そしてロシア海軍の例を出しているが、救難用ではなく、哨戒用であり、現実にはまだ採用されていない。救難用と哨戒用が異なることをオブの筆者は明白に知っている。つまり諸君の記事は正しいことを、オブは立証してしまっている。オブの筆者はこのような事が分からないほどの間抜けではない。自分の批判が間違いであることを知っていて書いているから、虚偽だと言うのである。さて私のMRJに対する疑念は、次の記事に掲載したい。これは諸君の記事に共通してはいるものの、強調する視点が異なる。私も諸君の清谷氏もMRJの成功を願うものである。請うご期待。

追伸
 オブの記事の結びに近い部分はこうなっている

これでは軍事雑誌や航空雑誌に掲載することなどとても出来ないレベルで、「諸君!」のような航空技術に無知な編集部の雑誌でしかチェックを通らない筈です。この記事を読んだ読者層も詳しい人は殆どいないわけですから、内容をそのまま信じ込んでしまいかねず、問題があります。

 自分の批判記事は救難用と哨戒用を故意にごちゃ混ぜにしていて、よく言うものだ。天に唾すると言う。
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