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中国汚染ミルク事件 22社69品目で有害物質検出

2008.9.16 23:09

 【北京=野口東秀】有害物質メラミンが混入した粉ミルクを飲み、乳児が腎臓結石になった事件で、中国政府は16日、メラミンが大手メーカー「三鹿集団」以外に、全国21社の乳製品69品目から検出されたと発表。中国中央テレビを通して会社名を明らかにした。一方、中国公安当局は同日までに、有害物質を含んだ製品を生産・販売した疑いで4人を逮捕したもようだ。

 メラミンが入った製品はすでに一部が海外に輸出されており、中国政府は製品の回収を命じたという。中国衛生省のまとめでは、16日午後の時点で、この粉ミルクを飲んだ乳児2人が死亡。飲んだ乳児は1万人近くに上っている。1253人が診察を受け、このうち53人が重症という。

 中国のニュースサイト「中国新聞網」は同日、この事件で4人が逮捕されたと伝えている。報道によると、逮捕された4人のうち2人は河北省石家荘市正定県に住む搾乳業の兄弟。2人は昨年末、利益目的で自分たちの搾乳場の牛乳に水を入れて量を増やしたが、三鹿集団の検査で不合格となった。このため、水増し牛乳にさらにメラミンを混ぜ、タンパク質含有量を高く見せる偽装をし、検査を通過していたという。2人はメラミンを近くの化学原料販売店で購入していた。

 兄弟は容疑を認めているが、「メラミンが有害であることは知らなかった」と供述しているという。

 この牛乳から製造された粉ミルクを飲み、甘粛省で5月1日に男児が、7月22日に女児が死亡している。逮捕された兄弟のほか、牧場や授乳場数十カ所の経営者らにメラミンを混入させた疑いがあり、当局はすでに22人を拘束している。逮捕者はさらに増える見通しだ。

 この問題をめぐっては、今年3月以降、「三鹿集団」にクレームが相次いでおり、6月には国家品質監督検査検疫総局にも異変を訴える通報が届いていた。北京五輪開幕直前の8月初めには、同社の検査で製品からメラミンが検出されていた。インターネット上では、「なぜ公表や調査が遅れたのか明確にせよ」など批判が広がっている。

    ◇      ◇

【メラミン】尿素とアンモニアを反応させて生成される有機化合物。主に合成樹脂の材料として使われる。メラミン自体の毒性は低いが、昨年、米国でペットが腎不全で大量死した問題では、中国産ペットフードの原料の小麦グルテンに混入していたメラミンが原因と指摘されている。

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