仙台市の食肉卸売会社が米国産の豚肉を国産と偽って学校給食センターに納品した問題で、宮城県警生活環境課と仙台東署は17日、「精肉石川屋」元社長、石川里美容疑者(50)=同市若林区大和町4=ら元同社幹部3人を詐欺と不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で逮捕した。石川容疑者が主導し、会社ぐるみで行っていたとみて全容解明を進める。
他に逮捕されたのは、元仕入課長、須田龍一(40)▽元製造課長、樋渡信也(49)両容疑者。2人は問題発覚後に退社し、石川容疑者は8月に社長職を退いた。いずれも容疑を認めている。
調べでは、3人は昨年3月下旬~6月下旬、安価な米国産チルド豚肉をロース切り身約840キロに加工。納入契約書類の産地欄に「宮城県米山町」と表示して国産と偽り、仙台市の学校給食センター2カ所に計7回納入して代金約93万円をだまし取った疑い。市は学校給食用生肉を国産に限定している。
民間の信用調査機関などによると、同社は1951年創業の中堅業者で年商約10億円。仙台市の学校給食用に少なくとも約20年前から納品していたという。昨年9月、市内の飲食店に納入した牛肉の賞味期限のラベルの日付改ざんが発覚。さらに、日本農林規格(JAS)検査に合格した製品と偽ってベーコンを学校給食用に納入したとして同11月、東北農政局がJAS法違反容疑で刑事告発していた。【比嘉洋、鈴木一也】
毎日新聞 2008年9月17日 12時04分(最終更新 9月17日 12時24分)