MENU

RANKING

モバZAKのご案内

iモード、EZweb、Yahoo!ケータイで大好評配信中

社会ホーム > 社会 > 記事詳細

  • イザ!ブックマーク
  • はてなブックマーク
  • livedoorクリップ
  • ブックマークに追加する

北の独裁者は死んでいる? 早大・重村智計教授

新著「金正日の正体」で“発表”

 北朝鮮の金正日総書記の重病が伝えられるなか、海外メディアの話題をさらった本がある。30年間北を見続けてきた早大教授の重村智計さんが著した『金正日の正体』(講談社現代新書、756円)だ。重村さんの取材の結論は「金正日は既に死亡し、影武者が代行している」という驚くべきものだった。

 −−本書を出版したのは

 「なかなか公表できなかった話をそろそろ書いていいだろうと。北の情報を全くうのみにする人やすぐ否定する人たちがいるが、30年付き合ってきて北の情報をどう扱うかを書きたかった。何でもあり得るという前提で事実をつぶしていくのが情報を扱う原則だ」

 −−2004年の小泉純一郎元首相訪朝時はすでに影武者だった

 「00年に車イス姿の金正日を見た人がいる。糖尿病の末期症状でやせ細り、ほおもこけていた。03年にはその人は金正日に近い人物から『亡くなられた』と知らされた。以前にも金正日は車イスと聞いた人は複数いたが、馬からでも落ちたんだと思っていた」

 −−以前とは声が違う

 「報道機関が04年の小泉訪朝後に以前の声との声紋比較を研究施設に依頼したが、全く声が違っていた。声紋の違いが影武者であることの決定打になった」

 −−影武者の1人は女性

 「何度か影武者を見た人によると、1人はすごく女性っぽく、顔もふくよか、手も柔らかかったという。腹を突き出した姿がよく出るのも胸(の膨らみ)を隠すためじゃないか」

 −−金総書記は日本にもよく訪れていた

 「1982−89年に日本に来ていたのは間違いない。喜び組の踊りも赤坂のダンスショーをパクッたもの。金正日の子供たちもしょっちゅう来日していて(長男の)正男が日本に来たのも事実上父親のマネをしたんだろう」

 −−後継者は

 「後継者を決めると影武者を殺さないといけなくなる。金正日に近い人物によると『影武者が死ぬまで後継者を決めないことになっている』という。後継者を決めると、いまの集団指導体制のパワーバランスが崩れることにもなる」

 −−北の女スパイが韓国で逮捕され話題になったが

 「日本はもっとすごい。以前は船で横浜に来ても誰もチェックしなかった。北朝鮮は工作国家だという認識がない。拉致問題はなぜ起きたか。日本の政治家は北の主権侵害に対する怒りを感じてこなかった。国家意識が非常に弱かったからいろんな問題が起きた」

 −−今後の北朝鮮は

 「米国は政権交代すると1年は朝鮮問題に手を付けない。南北関係は当面ダメ。日本との関係打開に動き出すだろうが、外務省は北の策略に引っかかっているか、意図的に協力しているといわれかねない状況。エサを投げたら向こうから下りてくるといった国会対策的手法で解決できると思い込んでいる。情報なしに外交はできない」 

 ■重村智計(しげむら・としみつ) 1945年中国生まれ。毎日新聞社ソウル特派員、ワシントン特派員、同紙論説委員を経て早稲田大国際教養学部教授。著書に『最新・北朝鮮データブック』『外交敗北』『韓国の品格』。

ZAKZAK 2008/09/19

社会ニュース

もっと見る