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毒粉ミルク騒動拡大の中国で母乳ブーム

 中国で粉ミルクに続き牛乳からも腎臓結石を起こす有毒化学物質のメラミンが検出され、中国製乳製品を信頼できなくなった中国の母親たちの間に母乳ブームが起きている。19日付香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが報じた。

 同紙によると、中国では今週に入り、恐れをなした母親から母乳で子供を育てる方法を尋ねる問い合わせが病院に殺到しているという。しかし、病院側は母乳がよく出るように分泌腺をどう刺激したらよいか、乳房をどう保護したらよいかなどについて十分な説明に応じないため、母親らの間に不満が広がっているという。他国と同様、中国でも1990年代から母乳で子供を育てる母親が減り、北京、上海、天津など大都市での母乳授乳率は60%台にとどまっている。母乳を与えたいと考える母親の40%は短い出産休暇と忙しい職場生活、授乳施設の不足などのために、母乳で赤ちゃんを育てるのが不可能な状況だ。しかし、今回の毒粉ミルク事件がそんな状況を変えようとしている。

 一方、粉ミルクやアイスクリームだけでなく、中国乳製品大手3社の蒙牛乳業、伊利実業、光明乳業が生産した牛乳からもメラミンが検出され、乳製品全体に対する不安が拡大している。消費者の一部は汚染粉ミルクを生産したメーカーに数百人で押しかけ、返金を要求するデモを行った。台湾、香港、マカオなどでは中国製乳製品の全面回収が始まった。

 また、四川省の成都経済日報によると、重慶市では市民が三鹿集団の汚染粉ミルクを広告していたタレント二人を相手取り、「誤った情報を流した責任がある」として、1万元(約15万7700円)の賠償を求める訴訟を起こした。

香港=李恒洙(イ・ハンス)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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