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有権者と“温度差”/候補予定者は臨戦態勢も街頭の反応いまひとつ
衆院の“解散風”が急速に強まる中、次期衆院選の候補予定者は街頭演説などの活動に奔走している。しかし、既に臨戦態勢の候補予定者とは裏腹に、道行く有権者の反応はいまひとつ。各予定者は「今の政治に関心を持っている人は多いはず」と、有権者との“温度差”を埋めようと街頭演説に熱弁を振るう。
湘南地域のとある駅前。野党の立候補予定者が政権批判や医療政策の重要性を繰り返し訴えていた。帰宅者や買い物客がひっきりなしに行き交うが、足を止めて聞き入る人は、ほぼ皆無だ。
配布していたビラも受け取らずに足早に通り過ぎた男性会社員(58)は「総選挙といってもまだ実感がわかない。新しい首相が決まってどんな政策を打ち出すかを見てみないことには」と言葉少なに語った。
同じように素通りした主婦(72)も「どこも自分の党のことばかり考えて、国民のことは考えていない政治家ばかり。もう選挙には興味ない」と根深い政治不信をのぞかせた。
ただ、足を止めないまでも選挙や政治に関心を寄せている人は少なくない。アパレル会社経営の男性(72)は「物価高で婦人服が全然売れなくなった。次の選挙で自分の意思を投じたい」と語気を強めた。主婦(29)は「一歳の子どもがいるが、出産費や妊娠中の健診費が高かった。少子化対策に力を入れてほしい」と注文。
演説を終えた立候補予定者は「有権者の関心が高まるのは公示を過ぎてから。でも今回は首相辞任の経緯や金融不安などから反応はいい」と受け止め、地道に街頭演説を続ける予定だという。
横浜市内の選挙区で初挑戦する立候補予定者も毎日のように街頭演説をこなすが、立ち止まって聞く有権者は少ない。「声をかけてくれる人は増えているので、政治への関心を高める意味でも頑張るしかない」と精力的だ。
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