福岡市西区の男児殺害事件で、同市立内浜小1年、富石弘輝(こうき)君(6)が発見された小戸(おど)公園のトイレ周辺に、弘輝君とみられる子供の足跡が見つかっていないことが福岡県警西署捜査本部の調べで分かった。弘輝君は女子トイレ裏側の外壁と柱との約50センチのすき間で見つかった。県警は犯人が他の場所で殺害後、公園利用者らから見えにくいよう、弘輝君を隠した可能性が高いとみて聞き込みを進めている。
調べでは、弘輝君は事件当時、ゴム製のサンダルを履いていた。トイレ周辺のタイル敷や地面からは成人のものとみられる大きな足跡が複数見つかった。しかし、サンダルとみられる子供の足跡は見つからなかった。
弘輝君は女子トイレ裏側の入り口そばの角にある柱と外壁のすき間に、ひざを抱えて座り込むような体勢で見つかった。そばに弘輝君がはいていたゴム製のサンダルがあった。サンダルは散乱しておらず、置かれたような状態だったという。発見時、心肺が停止しており、搬送先で死亡が確認された。
弘輝君を最初に発見した男性(62)は、毎日新聞の取材に「外から見えないよう、押し込まれたような状態だった」と話している。
司法解剖の結果、弘輝君の首には平らなひもで絞められたような跡があり、死因は窒息死だった。ひもは二重になっていたとされる。
弘輝君は普段、所持していたGPS(全地球測位システム)機能付きの携帯電話のストラップを首からかけており、県警はこのストラップで首を絞めたとみて、公園内で発見し押収した携帯を詳しく調べている。
県警は犯人が証拠隠滅のため、弘輝君の携帯を持ち去り公園内に捨てたとみて事件後、周辺を捜索するなどして捜していた。携帯は事件直後から、つながらなくなっていた。
毎日新聞 2008年9月20日 15時00分(最終更新 9月20日 15時00分)